【第242講】イメージ悪化し忖度(そんたく)や斟酌(しんしゃく)

れき女
近ごろ有名な忖度≠ナすが、江戸時代は当たり前?
先生
当然。おもんぱかるのだ。
れき女
では、本来は良い意味?
先生
良いも悪いも、忖度は「他人の心の中を推し量る」こと。最近の使い方が微妙なのだ。
れき女
いわゆる気が利くこと?殿の草履を温めた藤吉郎とか。
先生
後世に残っている逸話ね。
れき女
石田三成の「三杯のお茶」も秀吉関連ですよね。
先生
あくまでもうまくいった話。
れき女
確かに逆効果になりかねない。生ぬるい草履が気持ち悪い〜とか、ぬるい茶は手抜き〜とか。
先生
そこは常日頃の観察と臨機応変のスキルが必要になる。
れき女
では、“斟酌”とは?
先生
同じような意味だが、もともと水や酒をくみ取捨するという意味から「あれこれ照らし合わせ考慮して取り計らう」となる。
れき女
裁判でも「事情を斟酌して…」とかありますものね。
先生
要は日本人のあうんの呼吸だったのが、今はどっちもイメージが悪くなっておる。
れき女
問題はその先ですよね。
先生
利益誘導やら金銭の授受やらの見返りが生じると口利きだ。
れき女
これはどうです? 八代城の石垣が大雨で崩れた。パパ(細川)忠興は早く修理したい。しかし息子忠利は、所定の手続きで申し入れるから待ってくださいと諭す。
先生
忠利が領主だからね。幕府に石垣の被害箇所と修理許可の書状を提出する責任者は彼だ。
れき女
はい。忠利は規定にのっとり老中宛てに書状を提出。それなのにパパは、将軍の側近か元老中宛てに別便を出す。
先生
パパは待てない。
れき女
どうして側近か元老中?
先生
早く進む。普通の手続きなら待たされる。そういうものだ。政権にパイプがある者ができるコネを使った戦法なのだ。
れき女
なんかズルい。似てますね、“かけもり”問題と。
先生
まずもって忠興だからできたこと。でも修理は自腹だし許可申請のみ。それ以上でも以下でもない。忠利は困っただろうがね。
れき女
でも現職の老中より側近のほうが意見、通るんですね。
先生
役職より殿により近しいほうが有利なのだ。ツーカーだ。
れき女
かけとかもりとか。きっとおそばを食べたくなったと忖度します…から、おごってください。
第242講
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