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「大工事」

 息子が通っている歯医者さんは、アタシも子供の頃こんな先生だったら、あんなに泣いたりしなかったのに…と思わせるほど、とても良いところ。ほとんど初めての診療だと告げると、まず動いていない機械を息子に握らせてくれた。それを自分で口の中に入れさせ、安全で怖くないものだと安心させながら、治療を進めてくれたおかげで息子は歯医者が大好きになった。…しかし、とうとうシャレにならない大工事をせねばいけない日がやってきた。その日は、ダンナが息子を抱き、一緒に診察台へ。私は行かなかったのだけど、ダンナいわく「こっちが泣きたくなった」くらいの地獄絵図だったらしい。それまで足取りの軽かった息子は、歯医者に行こうと誘うたびに大泣き、あんなに大好きだった先生と目も合わせなければ口も聞かないといった有様。先生、ほんと恩知らずの息子でゴメンナサイ。



「ゴオオオルウウウ!」

 先日、家族でサッカー観戦をしていた時のこと。息子と娘はくまのプーさんを見ると言い張ったので、なんとか懇願してテレビを2画面に分けて見せてもらうことにした。音声はプーさん、画面の半分はサッカーという過酷な状況にもかかわらず、テレビに見入る私たち。そして…ゴオオオルウウウ! 思わず、2人同時に叫んでしまったため息子も娘もビックリして怒る怒る。「もう! たかぞう(仮名)がなんだかおこられたと思ったじゃないか! おとうさんもおかあさんも、大きな声を出さないで!!」。ああ、はいはいゴメンね、つい興奮しちゃって…と反省しつつ、さらにサッカーに見入る。1点を返され、ぼやき、いよいよロスタイムに突入したところで…起死回生のごおおおおおおるうううううおおおおおお!!! と叫んでしまった私たち。すると、またも息子はビックリしたらしくほぼ同時にうわああああ! と叫んだと思ったら「大きな声を出さないでって言ったのに〜!!」とわんわん泣き出してしまった。ああ、ゴメンね、息子。おかあさん、いつもこんなに大きな声で怒ってたんだね。。。



「私は弱い女です」

 周りが出産ラッシュなので、使わない育児グッズを整理することにした。子供用品は天下の回りもの。使う期間が極端に短いものばかりなので、捨てるには惜しい品々ばかり。…ゆえに、何人もの子供を渡り歩いたであろう代物が多い。…それゆえに、かなりな年代物もあったりする。下手すればアタシたちが使っていたんじゃ?と思われるような妙に懐かしい柄。でも、なぜか傷みが無いため、捨てるのも忍びなく私の元へ流れ着いたのだろう…。そういった経験もふまえて、私のあとに続くオシャレな若いお母さん達の為にも、いくつかの物に引導を渡したりもした。そんな中、頂き物+買った物で50枚近くあった新生児用の肌着。いいかげんくたくたになったけど、ただ捨てるのは勿体ないためハサミを入れてフライパンの汚れ落としとして使うことに。しかし。いざハサミを入れるとなると、なぜかすごい罪悪感。い、一体何人のかわいらしい新生児を、この肌着はやさしく包んできたんだろう…などと考えてしまうと、ああ、ダメです。私は弱い女です…。





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