高い技術を要するインプラント 積極的にセカンドオピニオンの活用を【メディカル百科】

─インプラント治療を諦めている人も少なくないとか。

インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、義歯を固定できるようにする治療法です（自由診療）。インプラントを希望する患者さんの中には、顎の骨格や位置、厚さなどに問題があり、かかりつけ医から「インプラントができない」と言われ、治療を諦める人も多いようです。しかし、骨の厚さや幅が足りない患者さんも、人工代用骨などを使い手術が可能になるケースも多くあります。

─どんな治療法ですか。

上顎の奥歯の場合、その上に副鼻腔という大きな空洞があり、約1cmのインプラントを痩せた骨に埋め込むと、ここに達してしまうことがあります。そこで、副鼻腔の下部にある薄い膜を慎重に押し上げ、その隙間に人工代用骨を入れインプラントを埋め込む骨を造成します。人工代用骨が完全に自分の骨としてなじむには約6カ月かかります。その後歯科用CTで、骨の状態や神経の走行などを立体的に見ながら、インプラントを埋め込む角度などもシミュレーションし治療計画を立てます。

─緻密な技術を要する治療ですね。

薄い骨にインプラントを埋め込むには、技術と経験が必要なので、医院によっては断られる場合もあると思います。そのためにも、積極的にセカンドオピニオンを利用し、正しい診断と納得のいく説明を受けて、治療をスタートしてほしいですね。これまで治療を諦めていた人にも、進歩した歯科技術により、自分の歯と同じように食事ができ、思いっきり笑うことができる日常を取り戻していただきたいと思います。