メディカルインタビュー 神経内科編

発熱や頭痛、嘔吐(おうと)などの症状から始まり、進行すると意識障害や四肢まひなどの後遺症が残ることもあるという髄膜炎。症状や治療法について聞きました。
ー「髄膜炎」とはどのような状態を言うのですか。

山川 頭蓋骨と脳の間にある、硬膜・くも膜・軟膜を髄膜といい、主にくも膜と軟膜の間にあるくも膜下腔に炎症が起こっている状態が「髄膜炎」です。この髄膜炎は大きく2つに分けられます。細菌が髄膜内に侵入して感染症を発症する「細菌性髄膜炎」と、髄液検査で細菌感染が証明できない「無菌性髄膜炎」です。無菌性髄膜炎の多くはウイルス感染ですが、マイコプラズマ感染や自己免疫疾患でも発症します。細菌性髄膜炎は、肺炎球菌やブドウ球菌に起因することが多く、特に髄膜炎菌感染の場合は、急速に重症化します。早期に抗生剤の投与など適切な治療をしないと、意識障害や四肢まひなどの後遺症を残したり、生命に関わることもあります。

ー髄膜炎の初期症状は。

山川 初期の段階では、発熱や頭痛、嘔吐などが見られます。診察時に、首を前に曲げるようとすると痛くて曲がらない、座った状態で片足を上げようとすると、膝の裏が痛くて上がらない、首を左右に振ると頭痛が悪化する-など、髄膜刺激症状がある場合は、直ちに髄液検査が必要です。髄液検査は、腰椎の椎間から注射針で髄液を少量採取して検査します。通常のMRI撮影では髄膜炎の画像診断はできませんが、造影MRIで髄膜の炎症が描出できます。重症化させないためには、できるだけ初期段階での髄液検査が重要です。

西村内科脳神経外科病院 医師 山川 孝氏

ー髄膜炎と診断された場合、どのような治療になりますか。

山川 無菌性髄膜炎のほとんどは、重症化せず、完治する例が多いです。軽症の場合は、解熱剤や輸液のみで回復します。細菌性髄膜炎は重症化しやすく、検査と並行して抗生剤とステロイド治療を同時に開始します。肺炎球菌や髄膜炎菌による細菌性髄膜炎、あるいはおたふく風邪ウイルスによるウイルス性髄膜炎は、ワクチン接種(任意)で予防することができます。ワクチン接種など希望される人は、かかりつけ医にご相談ください

造影により脳溝間に白く描出されている髄膜の炎症

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