メディカルインタビュー 歯科編

歯を喪失する原因で一番多いのは歯周病によるものです。歯を失っていくと、噛(か)み合わせの不具合から認知症発症や転倒骨折のリスクも高まるそう。歯周病のリスクや予防法、歯を喪失した際の治療法などを聞きました。

―歯周病によって歯を喪失する人が多いそうですね。

坂口 40歳以上の約8割が、歯周病に罹患(りかん)しているといわれています。しかし、歯周病がさまざまな病気に関連していることは意外と知られていません。例えば、動脈硬化や肺炎、糖尿病などを引き起こす危険性があるほか、骨粗しょう症、肥満の悪化、妊婦の場合は低体重児出産につながることもあります。歯周病によって歯を喪失してしまうと、おいしいものを食べられない、発音しづらいというだけでなく、ものを飲み込む嚥下(えんげ)機能も低下してしまいます。また、歯の残存数と脳の働きや転倒骨折のリスクとの関係についても研究が進んでおり、歯が20本以上残っている人に比べて、歯がない人の認知症リスクは1・9倍、転倒骨折は2・5倍という数字が出ています。いかに自分の歯を失わずにいられるかで、将来的な生活の質も変わってきます。歯の喪失を防ぐために、まずは定期的に検診を受けることが大切です。

―歯を喪失した場合、どのような治療法がありますか。

坂口 装着が煩わしくないインプラント(保険外)が一般的になってきましたが、体力や経済的負担などを総合的に考え、部分的な入れ歯とインプラントを組み合わせ、最大の効果を引き出す治療法が注目されています。この治療により、噛み合わせのバランスが良いハイブリッドな入れ歯が可能となりました。

―噛み合わせを直すことで体調不良が改善した人もいるそうですね。

坂口 よく噛めるようになることに加え、頭痛や肩凝り、腰痛など、全身症状が改善したという患者さんも多くおられます。私たち歯科医師も、歯を治療するだけでなく、口腔内の環境を整えることが体全体にどのような影響を及ぼすのか、その治療効果を的確に患者さんに伝え、必要があれば専門的な機関につないでいく総合診療を進めていかなくてはなりません。新しい年は、定期的な検診を受け、歯だけでなく自分のお口の中の状態を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

※新年は1月4日(木)から診療

坂口歯科医院 院長 坂口倫章氏

坂口歯科医院 院長 坂口倫章氏 日本歯周病学会認定 歯周病専門医

入れ歯をインプラントに“パチン”とホック式(矢印)で留める、ハイブリッド義歯の治療例

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坂口歯科医院

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