メディカルインタビュー 産婦人科編

陣痛や出産時の痛みを和らげる「無痛分娩」。どのような分娩法で、年間どのくらいの方が選択しているのか、どんな方に適しているのかなど、専門医に詳しく話を聞きました。

無痛分娩とは。

蓮田 麻酔や鎮痛剤を使用して、陣痛の痛みを和らげる分娩法です。無痛分娩で最もよく用いられているのが、硬膜外麻酔です。腰や背中に細いチューブを挿入し、そこから麻酔薬を注入する方法です。注入後、5~10分で陣痛が和らぎ始めます。下半身の感覚は鈍くなっていきますが、上半身の感覚はそのままで、意識もはっきりしています。

医療事故が報道されましたね。

蓮田 はい。昨年、無痛分娩時に使った麻酔が原因で亡くなられた方がいたという報道がありました。亡くなるケースは極めてまれであるため、無痛分娩に携わる多くの医師が驚いたことと思います。

慈恵病院 副院長 蓮田 健氏 九州大学医学部卒業。九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務

無痛分娩は危険なのでしょうか。

蓮田 厚生労働省の発表によると、2016年の全国の出生数は約97万人でした。日本産婦人科医会の調査では、2016年度の無痛分娩率は6.1%だったそうです。これらの数字から、全国で年間5万人ほどの妊婦さんが無痛分娩を選択したことが分かります。一方、無痛分娩の麻酔が原因で亡くなったケースは、過去の報道によれば年間0~1件なので、死亡率は約5万分の1。自然分娩に比べて死亡率が高いということにはなりません。

無痛分娩はどんな方に適していますか。

蓮田 初産の女性にとって陣痛は、想像を絶する痛みです。個人差があるとはいえ、そのつらさは本人にしか分からないでしょう。「お産は痛くて当たり前。我慢しなくてはならない」と考える人も少なくありませんが、無痛分娩が必要な方もいます。例えば、血圧が高い妊婦さん。陣痛のストレスで血圧が上がると、けいれんしてしまう恐れがあります。「痛みに対する不安が大きい」「パニック障害がある」などの理由で出産をためらっているという方にとっても、無痛分娩は精神的な助けになります。 また、まれなケースですが、不幸にも出産前におなかの中で赤ちゃんが亡くなった場合、ショックを抱えながら陣痛に耐えるのはつらいと思われますので、無痛分娩をおすすめします。

自然分娩と迷っている場合は。

蓮田 特別な事情などを抱えていない限り、自然分娩でよいでしょう。無痛分娩の死亡率が5万分の1だとしても、100%の安全を保証できないだけに、本当に必要な状態にある方に受けていただきたい分娩法です。なお、無痛分娩は保険適用外です。詳細は専門医にご相談ください。

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