【405号】健康美の秘けつはおなかにあり! 今日から始める腸活
誰もが気になる自分の健康。そのカギを握っているのは、実は「腸」でした。生活習慣を見直し、「食」と「運動」で健康増進に取り組む“腸活ライフ”を始めてみませんか。
体を外敵から守る! 腸は最大の“免疫器官”
私たちは、体の中に生じた老廃物の75%を便として排出しています。その大きな役割を担うのが「腸」。腸には体全体の約60%の免疫細胞が集まっており、体の機能を外敵から守る“最大の免疫器官”といわれています。
従って、腸の働きが衰えると、免疫力の低下に加え、肌荒れ、アレルギー、口臭、生活習慣病、うつなど、さまざまな身体症状が現れる恐れがあるそうです。腸の健康がすなわち、体の健康といえるでしょう。
日赤熊本健康管理センター 管理栄養士
村田 舞さん
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「腸年齢チェック表」で、自分の腸の状態を診断してみましょう。
腸の役割を見直し快適な生活を手に入れよう!
元気な腸を手に入れるには、まず自分の腸と向き合うところから。日赤熊本健康管理センターの管理栄養士・村田舞さんと、運動指導士・堤美郷さんに、「食」「運動」「生活習慣」など、暮らしに取り入れられる“腸活”を教えてもらいました。
あなたの腸年齢をチェック!
□ 便秘ぎみ(または時々下痢をする)
□ 便が硬く、気持ちよく出ない
□ 便の色が茶褐色または黒っぽい
□ おならや排便後の臭いがきつい
□ 野菜が嫌い、あまり食べない
□ 牛乳や乳製品が嫌い、ほとんど取らない
□ 運動不足を自覚している
□ 顔色が悪く、肌につやがない。老けて見える
□ ストレスが多い
□ 喫煙または多量の飲酒をする
いくつ当てはまりましたか?
■9個~ 腸年齢は老年期の状態
■6~8個 悪玉菌増加で、不調を来すかも
■3~5個 生活習慣を見直す必要あり
■1~2個 腸年齢は実年齢と同
■0個 腸年齢は若く、善玉菌が優勢
食 Foods
善玉菌を増やす食品を積極的に取り入れよう
腸の活動を促すには、まずは毎日の食事を見直すことが大切です。栄養の偏りだけでなく、欠食をするなど、食べる量の少なさも腸の働きを低下させる原因の一つ。村田さんは「栄養のバランスを考え、1日3食きっちり取ることが大事です」と話します。
また「腸の活動には、善玉菌と悪玉菌、どちらにも属さない日和見(ひよりみ)菌のバランスが大切」とも。「特に善玉菌を増やす乳酸菌や発酵食品の継続的な摂取などで、腸内環境は整ってくるはずです」。まずは下記の食品例を参考に、毎日の食事に取り入れてみませんか。
食生活を変えても、効果が現れ始めるのは2~3週間後。すぐに諦めず、根気強く続けましょう。
意識して続ければ、腸内環境はきっと改善します!
腸の働きを促す促す食品群
乳製品・発酵食品
ヨーグルト、納豆、塩麹(こうじ)、みそ、キノコ、ワインなど
ヨーグルトの乳酸菌、発酵食品のこうじ菌や納豆菌は善玉菌を増やします。
油類
サラダ油、ナッツなど
油の摂取量は1日大さじ1.5~2、アーモンドは15粒まで。取り過ぎに注意しましょう。適量を取ると、腸を刺激し排便を促します。
食物繊維
根菜類、葉物野菜、豆類、海藻、穀類など
野菜は1日350gを目安に(両手で3杯分くらい)。穀類は、五穀米などをプラスするのがおすすめ。
水
人間は1日に約1.5Lの水が必要です(アルコールは含まない)。特に、朝食前にコップ1杯の水を飲むと効果的です。
おなかイキイキレシピ
発酵食品のコラボデザート
水切りした無糖ヨーグルトにノンアルコールの甘酒を混ぜ、きな粉をかけるだけ!
整腸作用、美肌効果が期待できます
運動 Exercise
インナーマッスルを鍛え腸をしっかり動かそう
腸の働きが活発だと、排便が促され便秘の解消・予防につながります。そのためにはインナーマッスルを鍛えるのが効果的。中でも、腸に直接作用する「腸腰(ちょうよう)筋」と、腹圧を高める「腹横(ふくおう)筋」が排便力を上げる大事な筋肉。これらを鍛え、動かす運動を取り入れてみましょう。
まずは、家の中でできる簡単なエクササイズから。早速、今日から始めてみてくださいね。また、運動習慣にしている人も多いウオーキングについては、より効果の出やすい正しい姿勢とポイントを聞きました。
日赤熊本健康管理センター 運動指導士
堤 美郷さん
家の中でも簡単にできるエクササイズ。毎日少しずつ頑張りましょう!
"ながら"でもできる、おうちエクササイズ
Lesson.1
ドローイン
片方の手をおなかに、もう一方の手を腰に当てる。両手でおなかを挟むようにして、普通に呼吸しながらおなかを30秒引っ込める。
★腹横筋が働き、脊柱を安定させる
★繰り返し行うことで、内臓があるべき位置に収まり便秘の解消につながる
POINT
息を止めないように!
Lesson.2
上体ひねり
両足を前後に開き、腕を肩幅に広げて前に出し、タオルをピンと張って持つ。肘が曲がらないように、前に出した足側に腰をひねり5秒間キープし、元に戻す。反対側も同様に。
★腹横筋と腸腰筋が動くことで、腸の働きが活発になり消化を助ける
POINT
タオルは水平に持ちましょう
Lesson.3
上体反らし
うつ伏せになって両肘をつき、やや斜め上を見るようなイメージで上体を反らし、10~20秒キープ。ゆっくり元に戻す。
★おなか周りの筋肉、腸腰筋を伸ばす
POINT
腰が痛くならないところで止めましょう
ウオーキングの正しい姿勢とポイント
写真に示したウオーキングのポイントを守り、普段より、少しスピードを上げて歩くと、より効果的です。
POINT
ウオーキングは全身運動です。一定の呼吸でリズミカルに歩きましょう
生活習慣 Life style habit
「食」「運動」と併せ、生活習慣を見直すことで効果はさらに上がります。規則正しい生活が、腸の働きを活発にします。
ストレスをかけない
ストレスの多い生活が続くと、腸内の善玉菌と悪玉菌、日和見菌のバランスが崩れ、腸の活動を低下させてしまいます。睡眠をしっかり取り、飲酒や喫煙量を減らし、適度な運動を生活に取り入れましょう。
便意がなくてもトイレに行く
便意をもよおしても、時間がないときはついつい我慢しがち。その結果、便が硬くなって出にくくなります。便意がなくても、時間があるときにトイレに行く習慣を付けましょう。
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