メディカルインタビュー 歯科・小児歯科編

失った歯を補うための治療法として知られる入れ歯。使用しているものの、かむ力が弱い、痛くてかめないなど不具合も多いようです。今は、金属製のかむ力がアップした入れ歯など選択肢が広がっているといいます。

―歯を失った際の治療法にはどのようなものがありますか。

山田 インプラントや入れ歯が一般的です。しかし、入れ歯の場合、かむ力が通常の2割程度になることでかみ切れない、歯茎が痛くてかめない、入れ歯が外れてかみづらいなど、さまざまな不具合も多いようです。

―特に食べたいものが食べられないというのはつらいですよね。

山田 総義歯になると、イカの刺し身がかみ切れない、リンゴがかじれないといった患者さんの声を多く聞きます。しかし、このような患者さんの声に応え、今は奥歯に金属歯を用いた総義歯があります。通常の総義歯に比べ、かむ力が飛躍的にアップし、「食べられないとあきらめていた物を食べられる幸せを実感した」など、喜びの声が寄せられています。

―この他にもさまざまな義歯があるそうですね。

山田 歯茎に痛みが出やすい患者さんには、義歯の裏側に軟らかい歯科用シリコンクッションの付いた義歯があります。歯茎にしっかりフィットするため、安定剤を使わなくても入れ歯がずれることなく、「おいしく食事を食べられた」と言われる患者さんも多いようです。

―入れ歯というと金属バネが苦痛という人も多いと聞きます。

山田 特に女性の患者さんなどは、金属バネが目立って人前で話す際に気になってしまう、思い切り笑えないなどの悩みがありました。このような患者さんには、金属バネのない薄くて、軽い義歯(ノンクラスプデンジャー)など、審美性に優れた義歯もあります。見た目はもちろん、歯と入れ歯の隙間がほとんどないため、食べ物が詰まりにくく、快適に食事ができるようになりますし、お手入れも簡単です。

―入れ歯を装着していると、温度を感じにくいようですね。

山田 上顎部分が薄い金属でできている違和感の少ない入れ歯があります。装着していても温度をしっかり感じることができるため、食べ物の温かさや冷たさを実感しながら食べることができ、入れ歯をする前と同じように食事を楽しめると好評です。今回、紹介した入れ歯はすべて自費診療となりますが、口から食事を取ることは、健康寿命を延ばす上でも、とても重要です。食べたいものを食べられる幸せを感じてもらうためにも、入れ歯にお困りの人は、一度専門の歯科医師に相談されてみることをおすすめします。

やまだ歯科・こども歯科クリニック 院長 山田 清彦氏