メディカルインタビュー 精神科編
両親、配偶者との会話やコミュニケーションの中で「最近様子が変だな」「もしかして認知症かな」と気になっていませんか。そう思った時に家族が取るべき行動や認知症の兆候、治療法について聞きました。
―認知症の兆候はどのようなものがありますか。
小山 初期症状では「もの忘れ」が最も多く、「同じことを何回も言ったり聞いたりする」「物を取られたと思い込む」などがあります。さらに「だらしなくなって意欲が低下した」「ささいなことで怒りっぽくなった」といったことも認知症の兆候として現れることがあります。
―そのような兆候が見られたら、どうしたらいいでしょうか。
小山 認知症は、知的機能の低下により、社会生活に支障が起こっている状態です。親子、または夫婦の関係が密であればあるほど「相手が認知症であることを認めたくない」「まさか、うちの親(または配偶者)が」という心理が働きやすいようです。「しっかりしている時もあるから大丈夫」「症状がはっきりと出てから受診しよう」という思いから受診が遅れたり、症状が見えづらくなったりすることがあります。また、両親と離れて暮らす場合も異変がなかなか見えず、気づいた時には症状が進んでいることがあります。サイン例として「片付けがうまくできなくなった」「同じ質問を何度もする」といったことが挙げられます。認知症が進行し、さまざまな症状が出現すると患者さんもご家族の負担も大きくなりますので、何らかの兆候が見られたら早く受診することが重要です。
―検査の流れと治療法は。
小山 初診では、認知機能(記憶)検査やCTによる頭部画像検査を行い、必要に応じて血液検査なども実施します。さらに、患者さんの状態を正確に把握するため、別室でご家族の話も伺います。診察では、もの忘れなどが老化によるものか、認知症による症状かを見極めます。診察の結果、認知症と診断されたら抗認知症薬での治療を始めます。
―薬の効果はありますか。
小山 例えば、アルツハイマー型認知症の場合は、抗認知症薬を1年間服用することで記憶中枢である海馬の萎縮を45%抑えられたという報告があります。より早期からの治療で症状を軽くしたり、進行を遅らせたりすることもできます。さらに、早期に発見できれば、ご自身で今後の人生設計が立てやすくなるというメリットもあります。検査・治療費用は全て保険診療で、介護保険や医療費助成なども病院で相談できます。厚生労働省の2012年の調査によると、65歳以上の4人に1人が認知症や軽度認知障害(MCI)とされます。認知症は、初期であるほど高度な診断・検査が必要です。詳しくは専門医へご相談ください。
ソラクリニック 院長 小山一静氏
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