メディカルインタビュー 産婦人科編

不妊治療の過程で行われる胚(受精卵)培養。近年、胚にあまり負担をかけずに発育を観察する技術が進んでいるそうです。詳しい話を専門医に聞きました。

─“胚に負担がかかる”とは。

岩政 一般的に、体外受精した後の受精卵は、お母さんのおなかの中の環境を再現したインキュベーターという機器の中で培養されます。その後、1日1回程度インキュベーターから胚を出し、正常に受精しているか、発育しているかを顕微鏡で観察し、再びインキュベーターに戻します。しかし、本来は体内で発育する胚にとって、一時的に外部の環境にさらされることは大きな負担になりえます。そこで近年、胚への負担を少しでも減らすための技術が開発されました。

─それはどのような技術ですか。

岩政 インキュベーター内で胚を撮影できる「タイムラプス」という技術です。具体的には、胚をインキュベーター外に取り出すことなく、10分や15分ごとなど一定間隔で写真を撮影し、それらをつなぎ合わせて動画のように見ることができる方法です。培養期間中は常に撮影を行うため、今まで見ることができなかった胚の成長の動きをより詳しく観察することができます。

ソフィアレディースクリニック水道町 院長 岩政 仁氏

ソフィアレディースクリニック水道町 院長 岩政 仁氏

─妊娠率の向上にもつながるのですか。

岩政 胚の成長をタイムラプスで調べると、正常に発育する胚とそうでない胚との違いが分かるので、妊娠しやすい胚を優先して移植することが可能です。また、胚に何らかの問題があった場合、早期に発見し対応することができるので、妊娠に至るまでの時間の短縮にもつながるでしょう。詳しくは専門医にお尋ねください。