メディカルインタビュー 産科・婦人科編
「避妊をせずに性交してしまった」「避妊に失敗した」…。このような場合、望まない妊娠を回避するための「緊急避妊」について専門医に聞きました。
―「緊急避妊」の方法とは。
牛島 最も一般的なのは、「緊急避妊ピル」を使った方法です。性交後72時間以内に服用することで、成分の黄体ホルモン(レボノルゲストレル)が排卵を抑制し、受精を妨げます。国内の最新のデータでは、妊娠率は0.7%と低いですが、完全に妊娠を防止するわけではありません。あくまで緊急用の最終手段で、経口避妊薬を継続的に服用するほうが、さらに妊娠率が低いです。また、受精卵が子宮内膜に着床(=妊娠)してしまった後では効果がありません。
―安全性や副作用が気になります。
牛島 1970年代半ばから、世界中で一般的に使用されている薬です。ただし、①「緊急避妊ピル」を飲んで過敏症になった経験がある方②肝障害がある方③妊娠中の方は服用できません。副作用としては吐き気があります。もし、服用後2時間以内に戻してしまったら効果がなくなるので、追加の服用が必要です。
―そのほか注意点はありますか。
牛島 「緊急避妊ピル」の作用は排卵を抑えたり、遅らせたりするもので、残念ですが効果はすぐに分かりません。服用後、数日~数週間して月経があり、初めて分かるというわけです。つまり、月経が起こるまでは性交渉を避けなければなりません。もし、月経が予定より1週間以上遅れる、いつもより出血が少ない(着床出血の可能性があります)という場合は妊娠反応検査をしてください。もし妊娠しても、異常妊娠や赤ちゃんへの影響はありません。また、最近はネット通販で入手できるようですが、必ず専門の医療機関で処方してもらいましょう。
うしじまクリニック 院長 牛島 英隆氏
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