メディカルインタビュー 神経内科編

現代社会では、デスクワークやスマートフォン、テレビの視聴など、首から背中、腰にかけて丸くなるような姿勢を長時間取ることが多くなっています。その姿勢が、頭痛や目まいの原因になることもあるそうです。

─姿勢の悪さがさまざまな身体症状となって現れるそうですね。

濵武 頭の重さは成人で4~6㎏、つまり2ℓのペットボトル2~3本に相当する重さになります。それを支えるのが脊椎と呼ばれる首、背中、腰の背骨で、湾曲のバランスが重要です。正常な脊椎は、首と腰が反り、背中が少し丸みを帯びたS字カーブを描いた状態で、首や腰にはあまり負担がかかりません。頭が脊椎の真上にあれば、脊椎全体で支えることができますが、猫背になるとバランスが崩れ、骨だけでは支えきれず、筋肉にも負担がかかります。さらに、肺や胃も圧迫され、さまざまな身体症状が現れます。

─例えばどのような症状ですか。

濵武 首や肩、背中、腰などの筋肉に負担がかかると、頭痛、目まい、ふらつき、耳鳴り、腰痛などの全身の痛みやだるさが起こります。ひどい場合は、日常生活に支障を来します。また、脊椎への負担が大きいと、脊椎の変形や椎間板ヘルニアを生じ、手足を動かす神経は圧迫され、しびれや痛みが起きます。さらに圧迫が強くなると、手足に力が入らなくなり、動けなくなることもあります。脊椎の変形による神経圧迫は手術以外に治す方法はありません。この他、胃が圧迫されると、胃の内容物が胃酸と共に食道内へ逆流し、逆流性食道炎を来し、胃痛、胸焼けが起こり、食欲も低下します。さらに胃酸が喉まで上がると、風邪のような喉の痛みや声がれ、口の中の苦味、ぜんそくのような咳が続くことがあります。

─日常生活でどのようなことに気を付けるとよいでしょうか。

濵武 鎮痛剤や湿布、胃酸を抑える薬などが処方されても、症状は一時的に治まるだけで、薬が切れると再び現れます。まずは姿勢を正すという根本治療が重要です。正しい姿勢を保つには、耳、肩、肘、くるぶしが一直線になるように立ちます。後頭部、背中、お尻、かかとを壁につけて立ったとき、腰と壁の間に、手のひらが入るくらいがよいでしょう。原因不明の頭痛や目まい、浮遊感、手足のしびれ、腰痛などが続く場合は、日頃の猫背が原因かもしれません。まずは姿勢に気を付けてみて、それでも症状が緩和しない場合は、既に脊椎の異常を来しているかもしれませんので、専門の医療機関で検査されることをお勧めします。

西村内科脳神経外科病院 院長  濵武 諭氏

正常な脊椎のS字状カーブとその中を通る神経

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