メディカルインタビュー 精神科編
うつ病で精神科医院を受診する患者さんが増えているそうです。家族がうつ病で治療中のとき、どのように接すればよいのでしょうか。専門医に詳しく聞きました。
─うつ病を治療している家族への接し方を教えてください。
宮谷 うつ病になると、脳の機能が低下し、日常生活に多くの支障が生じます。例えば、これまで簡単にできていたことに時間がかかる、疲れやすく休みがちになる、楽しかったことがおっくうになる―などです。そのため家族は、戸惑ったりいら立ちを感じたりする場合もあるでしょう。しかし、一番大切なのは「一番苦しんでいるのは本人で、気の持ちようで解決するわけではない」と理解することです。
─うつ病の原因は、すぐに取り除くべきですか。
宮谷 家族としてはうつ病の原因が気になると思いますが、原因探しは控えた方が無難です。原因と思われるストレスが発病のきっかけに過ぎず、本当の原因は別にあったというケースは少なくありません。しかし、本人の判断力が低下しているため、仕事のストレスが原因だと思い込み、退職してから後悔した、というケースもあります。重大な決断は後回しにするよう助言してください。また、「食事を何にするか」などの日常の小さな決断を求めるのも、病状が重いときは避けましょう。
光の森メンタルクリニック 理事長/院長 宮谷 高史氏
─声の掛け方を教えてください。
宮谷 「早く良くなるようにがんばろう」などという、叱咤(しった)激励する言葉は本人を混乱させてしまいます。「朝早く起きよう」「散歩しよう」などといった、ポイントを絞った声掛けを意識しましょう。詳しくは専門医に相談してください。
コメント
0