メディカルインタビュー 外科編

心身の不調に合わせて多様な療法を選択して組み合わせ、治療の相乗効果を図ることを「統合医療」と呼ぶそうです。西洋医学と併用が可能な「ラドン温湿浴」などの治療について聞きました。

─ラドン温湿浴について教えてください。

上村 ラドンは空気中にも含まれる無味無臭、無色の気体です。ラドンからは、長期間浴びても人体に影響のない程度の低線量放射線が出ており、温泉成分に含まれる場合、ラジウム温泉と呼ばれます。日本では、特定の病気の治療や症状の緩和を目的とする「湯治」に利用され、古くから各地に存在します。この特性を利用した療法の一つが「ラドン温湿浴」です(自由診療)。

─治療の流れは。

上村 はじめに、ラドンを含む水を100ccほど飲み、シャワーで体の汚れを流した後、ラドン温湿浴ルームに入り、約40分間、横になって過ごします。室内はラドンから放射される低線量放射線と水蒸気が漂い、温度38度、湿度70%の岩盤浴のようなイメージです。血流が良くなり、交感神経よりも副交感神経が優位になることでリラックス効果が期待できるほか、ラドンを水蒸気と一緒に体内に取り入れることで、抗酸化システムが活性化すると証明されています。ただし、妊娠中など、治療を受けられない場合もありますので、治療前に必ずカウンセリングを行います。

阿蘇立野病院 理事長・院長 上村 晋一氏

ー他の治療法と組み合わせることもできますか。

上村 がん治療の目的で行われる手術療法や薬物療法、放射線治療などと併用することもできます。このような療法は「ラドン温湿浴」のほか、オゾンの力で血液を活性化させ、抗酸化力の増強を促す「オゾン療法」があります。痛みや食欲低下などを改善し、患者さんのQOL(生活の質)の向上に寄与する治療法としても注目されています。ほかにも、自律神経に働きかけ、自然治癒力を引き出す「オルゴール療法」など、多様な療法があります。これらは全て自由診療ですので、医師に相談の上、無理のない範囲で治療を検討していただくことが望ましいです。

─心身の不調に合わせて治療を選択することが大切ですね。

上村 はい。体の健康には、心の健康が不可欠です。「医食同源」という言葉があるように、日頃から体に優しい食材をバランス良く取ることはもちろん、精神的に安定させることが大事です。例えば、つらい治療に気がめいりそうなときは、花や料理など患者さんが楽しめて心安らげるものがあると、治療の相乗効果として期待できます。生活習慣や精神衛生の改善とともに、各療法の特性を生かした最適な治療をすることが大切です。詳しくは専門医にご相談ください。

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