【515号】VS 新型コロナウイルス 今、私たちにできること

新型コロナウイルスによる肺炎について、連日ニュースが流れています。感染しても通常の風邪程度の症状でとどまるものが多いのですが、中には深刻な呼吸器疾患を引き起こす場合があります。感染の拡大を防ぐために、日常生活でどんなことに気を付ければいいのでしょうか。熊本市保健所の長野俊郎所長に聞きました。

【新型コロナウイルス肺炎対策】まずは体調管理! 手洗い、「せきエチケット」を忘れずに

新型コロナウイルスの潜伏期間は、世界保健機関(WHO)によると、現時点では1日~12・5日(多くは5~6日)とされています。感染の経路は、感染者のくしゃみや、せき、つばなどの「飛まつ感染」と、ウイルスに触れた手で口や鼻を触ることによる「接触感染」が考えられます。

■予防するには

まずは、バランスの良い食事や十分な睡眠を取り、体調管理に気を付けましょう。さらに、小まめな手洗いを心掛けて(流水・せっけん・アルコール消毒液など)。外出先などでは、アルコールを含むペーパーや、ウエットティッシュで小まめに手を拭き、ペーパーやティッシュは捨てて。手が荒れないように、ハンドクリームなどでのケアも忘れずに! せきやくしゃみの症状がある場合は、正しくマスクを着用し、「せきエチケット」を心掛けることが大切です。

■気になる症状がある場合

発熱など風邪の症状や体調がすぐれない場合は無理をせず、学校や仕事を休むことを勧めます。まずは一般の医療機関を受診して。

風邪などの症状に加え、感染者との濃厚接触がある、渡航歴、既往症など、気になることがある方は、受診の前に左記の専用電話相談窓口に連絡してください。聞き取りの結果、感染が疑わしい場合は担当者が「帰国者・接触者外来」の受診を促します。
※妊婦で気になる症状があるときには受診前に、かかりつけの産婦人科医に電話で相談を。

3つの「せきエチケット」

■マスクの予防効果

混み合った場所や一つの部屋に多くの人数でいる場合、乗り物など換気が不十分な場所では、予防的にマスクを使用することは対策の一つといえます。使用時には正しいマスクの着用を心掛けて。


手の洗い方

流水でよく手をぬらした後、せっけんをつけ手のひらをよくこすります

手の甲を伸ばすようにこすります

指先・爪の間を念入りにこすります

指の間を洗います

親指と手のひらをねじり洗いします

手首も忘れずに洗います

せっけんで洗い終わったら、十分に水で流し、清潔なタオルやペーパーでよく拭き取って乾かします


感染の疑いがある症状

風邪の症状や37.5度以上の熱が4日以上続く ※高齢者や基礎疾患がある方、妊婦は2日程度
喉の痛み、長引くせき(1週間程度)、強いだるさや息苦しさ


【新型コロナウイルス感染症予防】手洗い前に、口、顔、髪に触れないで

「新型コロナウイルス感染症」予防のために、子どもたちが気を付けたいことについて、熊本大学大学院生命科学研究部小児科学講座の松本志郎准教授に聞きました。

熊本大学大学院生命科学研究部 小児科学講座

松本 志郎准教授


閉鎖空間を避け、軽い運動を

広がりを見せる「新型コロナウイルス」。不安な思いで報道を見ておられるかと思います。

まず、世界中の報告では子どもの重症例はほとんどありません。子どもの症状が軽いことは間違いないようです。症状が軽いため、子どもたちが自宅でウイルスを広げている可能性も指摘されています(否定する報告もあります)。賛否両論ありますが、これが学校などへの登校中止の判断がなされた理由の一つです。

また、心配だからといって病院に行くことは避けましょう。現在、診断で行われているPCR検査は、早い段階での検査には向かないとされています。逆に病院で感染してしまうことも心配されます。まずは、病院もしくは各自治体の相談窓口に電話相談した上で行動してください。


マスク、手洗い、うがいに アルコール消毒をプラス

マスクは、咳(せき)症状がある人は必ず使用してください。ただ、万能ではありません。ウイルス自体は通常のマスクは通過してしまいます。マスクに頼るのではなく、感染対策の基本(咳エチケット、手洗い、うがい)に加えて、アルコールによる消毒が徹底できれば限りなく感染を予防できます。コロナウイルスは肺炎だけでなく腸炎を引き起こし、小児の重症例は腸炎での脱水と報告されています(現在は回復して退院)。だからこそアルコール消毒のタイミングが重要です。外出先から帰ってすぐ、トイレの後、食事前は、特にアルコール消毒を徹底しましょう。また、トイレの後や手すり、つり革などを触った後、手を洗う前に、口、顔、髪に触れないことが重要です。アルコールがなくても、せっけんで入念に手を洗うだけでも感染のリスクは下がります。


換気と適度な運動で 健康維持を心掛けて

生活面では、部屋の小まめな換気も大事です。部屋の中に閉じこもり続けることも健康には良くありません。閉鎖空間を避ける必要はありますが、適度なゆとりのあるオープンスペースでの運動などは、健康の維持に大切です。ただ、卓球のラケットで感染した疑いも報道されているので、複数の人が使用する遊具(道具)などを共用する際は気を付けましょう。まだ幼いお子さんなどは、無意識に顔や口に手を持っていくことがあります。周りの大人が一緒に気を付けてあげましょう。