子どもの目は、生まれてから10歳くらいまでの間に急速に成長するといわれています。健康な目を形成するために必要なことを、親子で学んでいきましょう。

よねざわ眼科 院長

犬丸 淳子さん


早期発見・治療が大切

—10歳くらいまでの子どもの目は、どのように成長するのですか。

生まれて間もない新生児の目は、大人とほぼ同じ形で、大きさが若干小さめです。その働きはまだまだ未熟で、月齢が上がるにつれ発達し、視力も徐々に良くなってきます。 私たちの目はカメラのように、網膜に像を写し、その像が大脳に伝えられて初めて「見る」ことができるのです。赤ちゃんはこの伝達機能が未熟で、毎日の生活の中で物を見て、刺激を与えられることで発達していきます。
生まれてすぐの赤ちゃんでも、物を見つめるような反応がありますよね。だいたい2カ月で、両目で見つめるようになり、3カ月で、動く物を目で追うようになります。視力の発育スピードは、生後間もないほど急速で、生まれたばかりの時の視力は0.01ほどですが、1年後には0.1程度になります。3~4歳では発育が緩やかになり、4~5歳で1.0程度、その後、10歳までには、目の機能がほぼ完成するといわれています。

—発育途中で見られる目の病気には、どのようなものがありますか。

視力の発達の段階に生じる何らかの原因で、正常な視力の成長が止まってしまい、眼鏡をかけても視力が十分に出ない状態になることがあります。この状態を「弱視」といいます。また、私たちの目は両眼が常に連動して動きますが、両眼の視線を合わせようとする脳の機能の不具合や、眼球を動かす筋肉に異常があることで、両眼の動きが連動せず、視線が一致しないことがあります。これを「斜視」といいます。弱視や斜視は、とにかくその原因をできるだけ早期に発見し、治療を始めることが大切です。

第2回のテーマは

「子どもの目の異変のサイン」について。
掲載は4月16日付を予定しています。