[メディカル百科]消化器内科編

日本人の大腸がんは、罹患(りかん)者数・死亡者数ともに増加傾向にあります。早期発見のために必要な検査について専門医に聞きました。

─日本における大腸がんの動向は。

国立がん研究センターの「がん登録・統計」によると、2019年の大腸がん罹患者数は約15万5100人で、大腸がん死亡者数は約5万4200人です。今や男性の11人に1人、女性の14人に1人が大腸がんと診断される時代です。アメリカでは同年、約14万5600人が大腸がんと診断され、約5万1020人が同疾患により亡くなっています。人口が日本に比べ約2・5倍のアメリカが罹患者数・死亡者数ともに少ないという現状です。理由は、大腸内視鏡検査の受診率の差によるものと考えられ、同じ10年間での大腸内視鏡検査の受診率は、日本は約18%、アメリカは60%と推定されます。

─大腸がん検診として、大腸内視鏡検査が重要ということですね。

はい。日本では40歳から年1回、便潜血検査をし、陽性であれば大腸内視鏡検査を行うのが主流です。陰性でも早期発見のため、一度は受けましょう。大腸ポリープを切除したら、3年以内に一度は大腸内視鏡検査をお勧めします。

─大腸内視鏡検査は痛くてつらい印象があり、受ける勇気が出ません。

最近は機器の進歩や検査技術の向上により、患者さんの不安も軽減されています。例えば、内視鏡の形状や位置を3次元画像として確認できる内視鏡挿入形状観測装置も開発されました。従来のX線撮影での挿入と比較して被ばくがなく、カメラ位置を客観的に確認できるのが特徴です。最近の大腸内視鏡はこのような、さまざまな工夫が施されています。心配な方は、専門医に相談し、不安を解消した上で検査を受けましょう。

のざき消化器IBDクリニック 院長 野﨑 良一氏