[メディカル百科]脳神経外科編

慌ただしい年末年始、アルコールが入り転倒したり、物にぶつかったりすることで生じる「頭部外傷」について、受診の目安になる症状や検査方法を専門医に聞きました。

─頭部外傷とは。

転倒して頭を打つ、物が落ちてくるなど、頭部に力が加わり、頭部の皮膚や頭蓋骨、脳に損傷を来すことを頭部外傷と呼びます。頭皮は血管が豊富なため、裂傷の場合は出血量が多く、驚かれるかもしれません。まずは、清潔なガーゼやタオルなどで傷口を押さえ、圧迫止血を行いましょう。皮下血腫(たんこぶ)は頭皮の血管からの出血の塊なのでそこまで心配は要りません。大事なのは脳に損傷があるかどうかです。

─受診が必要な場合の目安は。

頭部に外傷を受けた後、気分が悪い、頭痛や吐き気がある、一時的な健忘が見られるなど、いつもと体調が異なる場合は脳に損傷があるかもしれませんので、受診をお勧めします。受傷後、明らかに意識がない、けいれんを起こすなどの場合は速やかに救急車を呼びましょう。

─どんな検査を行いますか。

来院された時の状態にもよりますが、診察を行った後、必要に応じてCT検査を行い、骨折や脳出血、脳挫傷など脳の損傷の有無を確認します。頭皮裂傷は、止血を確認し、縫合を行います。ただ、CT検査で脳に損傷がなくても、まれに後で脳出血などを起こす場合があるので、受傷から48時間は注意が必要です。また、受傷から1~2カ月後に慢性硬膜下血腫を合併することがあり、頭痛、物忘れ、半身に力が入らないなどの症状が出ます。早期発見のため、頭を打った事実を家族や周囲の人と共有しておきましょう。心配な症状があれば、専門医にご相談を。

熊本脳神経外科病院
理事長・院長 冬田 修平氏