[メディカル百科]予防矯正編

入園・入学、新学期シーズンを迎え、子どもの歯並びに悩む保護者が多いそうです。そこで、歯並びが悪くなる原因や子どもの歯の矯正、予防治療、 コロナ禍での注意点について話を聞きました。

─最近、歯並びが悪い子どもが増えていると聞きました。

歯並びは、顎の大きさや形状と密接な関わりがあります。近年は食生活が変わり、硬いものをあまり食べなくなったせいで現代人は顎が小さくなり、歯が並ぶスペースが減ってしまったのです。そのほか、呼吸や姿勢、嚥下(えんげ)、食べ方などの生活習慣、離乳の状態も、顎の成長に大きな影響を与えるといわれています。歯並びが悪くなる可能性がある子どもには、①口が開いていることが多い②姿勢が悪い③言いにくい言葉がある④硬いものが苦手⑤アレルギー体質⑥口臭がある―といった傾向があります。2つ以上該当する場合は、歯並びをチェックしてみてください。

─コロナ禍でのマスクの長時間着用は、歯の成長に影響しますか。

マスクを付けると息苦しさから口呼吸が増えます。口呼吸は舌や下顎が下がるため、口周りの筋肉が発達しにくいといわれています。また、マスク着用中は表情筋も運動不足になりがちです。

─幼児期からの予防的なケアが大切だそうですね。

子どもの口腔ケアで気を付けることは、まず予防です。虫歯になったら早めに治療するのはもちろんですが、虫歯にならないよう毎日丁寧に歯を磨くことが大切です。歯並びについても、生活習慣や癖を見直すことで、歯並びがきれいになります。最近は、歯並びが悪くならないよう、幼児期から予防的な矯正を行うことも増えてきました。

─予防的な矯正の治療方法は。

子どもの歯の矯正は、成長段階や症状に合わせて行うことが必要です。4~7歳のころには取り外し式の小児向け矯正装置(自由診療)を使って、生活習慣や癖によって歯並びが悪くなることを予防します。7歳以降は、矯正用マウスピースとトレーニングを併用し、歯並びをきれいにしながら、歯がちゃんと並ぶためのスペースづくりを目指して顎の骨格の成長を促します。マウスピースは一人一人に合わせて選択し、治療段階に応じて新しいものに交換します。トレーニングは舌や頬を動かす筋機能訓練で、家庭で簡単にできるものです。きれいな歯並びは、正常な顎の成長が必須です。12歳以上は、ブラケットなどを使用し、大人の歯(永久歯)を、きれいな歯並びに治していきます。マスクの着用機会が多い今なら、歯の矯正もあまり目立ちません。転居などで歯科のかかりつけ医がないという人も、お近くの専門医に気軽にご相談ください。

さくらのもり歯科医院
院長 成瀬 公彦氏

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