産婦人科編
歩くのにも支障が生じ、気分もふさぎがちになるという「骨盤臓器脱」。症状に悩んでいる人は少なくないようです。専門医に詳しく聞きました。
─骨盤臓器脱とは。
子宮や膣が下がってくる病気です。下の図は正常な子宮の位置と脱出してしまった子宮の位置を表しています。この病気では子宮だけでなく、膣や腸、ぼうこうなど骨盤の中にある他の臓器が脱出することがあります。
─どのような症状がありますか。
病気が軽いうちは膣の違和感や「何か下がってくる感じ」があります。進行すると、常に股間に何か挟まったように感じられ、最も重症になると、握りこぶしくらいの肉の塊がいつも股間にぶら下がっていて、歩くのにも支障を来します。出てきた膣がこすれてヒリヒリしたり、出血することもあります。また、ぼうこうが下がってくると「おしっこが近い、出にくい、漏れる」といった泌尿器症状が生じ、直腸が脱出すると便秘の症状を伴うこともあります。
─原因は何ですか。
最も大きな原因は分娩です。分娩の際に赤ちゃんの体が膣や子宮を支える筋肉を圧迫するため、これらの筋肉がダメージを受けて弱くなってしまうのです。また、生活の中で繰り返しおなかに力を入れたり、そのような機会が多い仕事をしたりしている女性は子宮や膣を支える筋肉が弱くなっていき、加齢に伴いさらに筋力が低下するため、高齢女性に発生しやすい病気でもあります。
─この病気は多いのでしょうか。
あまり知られている病気ではありませんが、症状がある女性は意外に多いようです。当院で約8500人の女性にアンケート調査をしたところ、60歳以上の女性の約6%に症状がありました。命に関わる危険は99%ありませんが、症状が負担になっている方も多く、「気分がふさいでしまう」「外出や旅行をしなくなった」という声も聞かれます。逆に、治療後には人が変わったように明るく活動的になった方もいるため、病気の負担の大きさを痛感します。この病気は治療で治りますので専門医に相談されることをおすすめします。
慈恵病院
理事長・院長 蓮田 健氏
九州大学医学部卒業。九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務
正常な子宮の位置(右)と脱出してしまった子宮の位置(左)
店舗情報
- 住所
- 熊本市西区島崎6-1-27
- TEL
- 096-355-6131
- 診療科目
- ・内科 ・内分泌内科 ・消化器内科 ・小児科 ・麻酔科 ・産婦人科(産科・婦人科)・内視鏡婦人科・糖尿病代謝内科・乳腺外科
- 診療時間/産婦人科
- 月~金曜/9時~11時30分・13時30分~18時(木曜は午前中のみ)、 土曜/9時~11時30分・13時30分~17時 ※産婦人科の急患の方は、いつでもご来院ください。
- 診療時間/内科・小児科
- 月~土曜/9時~12時・13時30分~17時(木曜は午前中のみ)
- 診療時間/麻酔科
- 金曜/13時30分~17時
- 診察時間/乳腺外科
- 月・火・金曜/9時~11時(熊本市乳がん検診は、月~水・金・土曜日9時~11時)
- 面会時間
- 平日14時~20時、日曜・祝日10時~20時
- 備考
- ※麻酔科および妊婦健診は予約制です ※手術や分娩によっては診療時間が変更になる場合があります
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