歯科編

一般的になってきたインプラント治療ですが、その意義や必要性を理解せずに治療に進んでいませんか。専門医に詳しく聞きました。

─インプラント治療とは。

インプラントとは顎の骨にチタンを埋め込み、骨としっかり結合した後に人工の歯をかぶせる治療法です。中には欠損部の骨が薄くなっている人もおられ、その場合は骨の造成が必要です。造成はインプラントの埋入時に行うこともあれば、残存骨が少ない場合、土台づくりを行った上で埋入へと進めます。

─費用はどれくらいかかるのでしょうか。

インプラント治療は自由診療のため、医院によって術式や使用する素材、縫合する糸の種類も異なります。おのずと使用するものによって費用は異なりますが、当院では1本約50万円を目安にしていただければよいかと思います。ただ、ここで大切なのが本当にインプラントにする必要があるのかどうかの診査です。もちろん歯が抜けている人にとっては、インプラントにするか入れ歯にするかという選択肢になりますが、残存歯がある場合、抜歯する前にその歯を生かした治療法が他にないのか、抜歯してインプラントに置き換えることが最善の方法なのかをしっかり見極める診断が重要です。

サンフラワーデンタルクリニック 院長 岡村 俊之氏

サンフラワーデンタルクリニック 院長 岡村 俊之氏

─治療を受ける側も十分に理解して進める必要がありますね。

そうですね。例えば、歯が折れて歯根だけが残っている場合、抜歯してインプラントを埋入する方法もありますが、歯茎に残った短い歯根を引き上げて、そこにかぶせ物をするという治療法も検討できます。もちろん抜歯以外に方法がないケースもありますが、治療にはいろいろな選択肢があることを患者さんにも知っておいてほしいと思います。