メディカルインタビュー 産婦人科編

子宮や腟(ちつ)が下がってくる「骨盤臓器脱」という病気をご存じですか。日本ではあまり知られていませんが、実際には多くの女性が症状に悩まされているそうです。主な症状や治療法について、話を聞きました。

どんな症状がありますか。

蓮田 子宮を支えている筋肉や靱帯(じんたい)が緩むことで、子宮や腟、膀胱(ぼうこう)、腸などが下がってきます。初めは「何かが下がってきた」と陰部に違和感が生じる程度ですが、進行してくると、股間に肉の塊が挟まったような突出感を覚えるようになります。「便や尿が出にくい」「尿が残った感じがする」といった症状を伴うこともあります。これは、膀胱や直腸が下がって変形してしまったことが影響しています。この段階になると、買い物や運動、旅行ができず、ふさぎ込んでしまう方もいらっしゃいます。

治療法を教えてください。

蓮田 骨盤臓器脱の治療は、大きく2つに分かれます。1つは、ペッサリーと呼ばれるリング状の器具を腟に挿入する方法です。この方法だと入院する必要はなく、外来診療で受けられます。手術に抵抗がある方や入院する時間がない方、深刻な持病があって手術を受けられない方などに適しています。ただ、ペッサリーは3~4カ月ごとに入れ替えが必要なため、定期的に外来に通うのが煩わしいと感じる方には向かないでしょう。もう1つの治療法は、手術です。骨盤臓器脱の手術には、子宮摘出や子宮のつり上げ、腟の縫い縮めなど、さまざまなものがあります。最近では、メッシュと呼ばれる補強材を腟の裏に挿入する手術も行われています。

慈恵病院 副院長 蓮田 健氏 九州大学医学部卒業。九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務

早めに対処した方がよいですか。

蓮田 患者さんの中には「早く手術しないと、病気が進行してしまうのではないか」と心配される方もいらっしゃいます。しかし、この病気はがんや心筋梗塞のように命に関わる病気ではないので、多くの場合、治療を急ぐ必要はありません。症状が出て悩んだときが、治療を始めるタイミングといえます。また、ある程度進行したときのほうが切除しやすいなど、安全に手術できる可能性は高まります。そのため、症状が軽い方には手術をおすすめしません。

骨盤臓器脱にかかりやすい年齢層はありますか。

蓮田 持病が増えてくる60~80歳の方がかかりやすいです。昨年まで元気で手術を受ける体力があったのに、手術直前に重い持病が発生して手術が延期になったり、中止になったりすることもあります。進行状態や症状の強さ、体力には個人差があるため、専門医に相談し、手術を急ぐべきか、様子を見るべきかを判断してもらいましょう。

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