メディカルインタビュー 産婦人科編

「お産は痛い」というイメージから、陣痛や分娩に恐怖心を抱いている女性は多いものです。そこで、麻酔を用いて、陣痛や出産時の痛みを和らげる「無痛分娩」について、話を聞きました。
無痛分娩について、詳しく教えてください。

蓮田 日本では多くの場合、硬膜外麻酔を使います。腰や背中に細いチューブを挿入し、そこから麻酔薬を注入する方法です。注入後、10分ほどたつと下半身の感覚が鈍くなり、陣痛の痛みが和らいできます。麻酔といえば眠ってしまう状態をイメージしがちですが、硬膜外麻酔は意識に作用しません。この麻酔は実は、分娩よりも手術の際に多く使用されています。産婦人科では帝王切開や子宮全摘出手術など、おなかを開ける手術を行った後、痛み止めとして使います。産婦人科に限らず、外科、泌尿器科の手術にも使用されています。県内だけでも、一日に数十人の患者さんがこの麻酔を受けているでしょう。

最近、無痛分娩の医療事故が相次いで報道されていますね。

蓮田 そうですね。今春、無痛分娩時の医療事故が、関西の産婦人科医院で相次いでいたことが発覚しました。中には無痛分娩の際に打った麻酔が原因で亡くなられた方もいましたが、麻酔によって亡くなるというのは極めてまれであるため、無痛分娩に携わる多くの医師が驚いたことと思います。

蓮田 健氏

慈恵病院 副院長 蓮田 健氏 九州大学医学部卒業。九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務

無痛分娩は危険なのでしょうか。

蓮田 無痛分娩で死亡することは極めてまれですが、「陣痛が弱くなって分娩時間が長くかかってしまう」などの副作用は珍しくありません。100~200人のうち1人程度は、お産後、1週間ほど頭痛が続くこともあります。そのため無痛分娩は、本当に必要な状態にある方に受けていただきたい分娩方法です。例えば、分娩の痛みが怖くて出産をためらっている方や、パニック障害などの精神疾患がある女性にとっては、大きな助けになるでしょう。

自然分娩と無痛分娩で迷っている場合は。

蓮田 初産の女性にとって陣痛は、個人差はありますが、「鼻からスイカが出るような痛み」「お尻の穴からボーリングのボールが出るような痛み」と表現されます。“お産は痛くて当たり前。だから我慢するもの”というのは誰にでも当てはまることではなく、痛みを含め精神的ストレスの程度も個人によって違います。病院によっては、自然分娩でのお産中、痛みに耐えられなくなった方が無痛分娩に切り替えることもできます。なお、無痛分娩は自由診療です。詳しくは専門医にご相談ください。

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