メディカルインタビュー 放射線科編
国立がん研究センターのがん死亡数予測(2017年)によると、肺がんによる死亡数は男性1位、女性2位で、男女合わせた総数は1位。この状況はここ数年変わっていません。肺がんの特徴や、早期発見のために大切な検査について聞きました。
ー肺がんとはどんな病気ですか。
魚住 空気が通る気管、気管支、肺胞までの細胞に発生するがんを肺がんといいます。罹患(りかん)率と死亡率は、共に40歳代後半から増加し、高齢になるほど高くなります。頑固な咳や血痰(けったん)、息切れ、胸や背中の痛み、声のかすれなどが症状として知られています。しかし、がんの種類や位置、広がり方によって症状は異なります。これらの自覚症状による受診で発見された場合、約半数にさまざまな臓器への転移が見られるといわれ、肺がんの治療を難しくしている要因になっています。がんが大きくなるまで無症状であることが多い、肺の末梢に発生するタイプの肺がんもあり、注意が必要です。
ー症状が出る前に見つけることが大事ですね。
魚住 肺は右肺が3つ、左肺が2つの肺葉に分かれています。早期発見できれば悪性腫瘍を完全に切除し、治癒することも可能です。それだけに、早期発見につながる検査を受けることがとても大事です。一般的な検査方法は胸部X線写真と、痰の中にがん細胞がないかを調べる喀痰(かくたん)細胞診ですが、これらの検査だけでは早期発見が難しいこともあります。胸部CT検査やPET検査と組み合わせることによって、より正確に診断できます。
魚住クリニック 院長 魚住 秀昭氏 日本医学放射線学会認定放射線科専門医 日本核医学会認定核医学専門医
ー検査の特徴を教えてください。
魚住 X線・CT・MRI検査は組織の形を、PET検査は細胞の活動状態を見る検査です。ですので、特殊なケースを除いて小さながんを発見しやすいPET検査と、がんの形や大きさを映し出すことができるCT検査のそれぞれの特性を生かし、融合画像で診断すると、より精度の高い検査結果を得られます。PET検査は、がんの転移診断や治療後の再発診断にも有効です。
ー肺がんと喫煙の関係は。
魚住 肺がんのリスクとして喫煙の影響が指摘されています。たばこの煙には細胞を傷つける多くの発がん物質が含まれており、長い時間を経て細胞ががん化します。ですから、たばこを多く吸う人、喫煙開始年齢が早く長期間喫煙している人ほどリスクが高くなります。また、他人が吸ったたばこの煙を吸う受動喫煙による害も、かなり大きいことが分かっています。喫煙する人は、その習慣を見直すとともに、特に検査を怠らないようにしてほしいですね。
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