10月は、乳がんの早期発見・早期治療の大切さを伝える “ピンクリボン月間”です。熊本でもさまざまな啓発イベントが開催されます。この機会に、乳がんについて正しい知識を身に付けて、自分自身や家族の大切な命を守りましょう。

女性の11人に1人がかかるがん

現在、日本人女性の11人に1人が乳がんになるといわれており、乳がんは女性がかかるがんのトップになっています。平成28年に熊本県で乳がんで亡くなった人は206人で、これは昭和55年の56人に比べると約3.7倍に当たり、増加しています(※1)。乳がんの発症は30歳代から少しずつ増え、40歳代後半から50歳代にまずピークを迎えます。つまり、子育てや仕事に頑張っている年齢層に多い病気なのです。

女性なら誰でもかかる可能性のある病気

乳がんは、乳房の中に広がる乳腺にできる悪性腫瘍です。がん細胞は細胞分裂を繰り返して成長し、1個のがんの細胞が1cmになるまでに7〜8年かかるといわれています。早期に当たる2cmになるまでには、さらに1年半〜2年かかります。放置すると、がん細胞が乳管の外に広がり、リンパ節転移や遠隔転移が起こる危険性が高くなります。

また、乳がんにかかるリスクを高める因子は、女性ホルモンに関係するものが多くみられます(※2参照)。ただし、これらの危険因子に該当しない人も乳がんにかかることはあり、乳がんは女性にとって誰でもかかる可能性があるがんなのです。

早期発見すれば90%以上は治る

乳がんは早期に発見して適切な治療を受ければ、90%以上は治ります。乳がんのほとんどはしこりを形成するため、「唯一、自分で見つけることができるがん」ともいわれています。進行すると、しこりや痛み、違和感、乳頭の分泌物、ただれなどの症状が現れます。異変を感じたら早めに乳腺外科などの専門医を受診しましょう。

乳がんは初期症状がほとんどなく、しこりは1㎝くらいから触れるようになります。症状のないときから検診を受けると、早い段階で乳がんを見つけることが可能です。

自己触診と定期的な検診が重要!

乳がんを早期発見するためには、20歳を過ぎたら月に1度の自己触診をしましょう。40歳代になったら、1〜2年に1度の乳がん検診を受けることをお勧めします。自治体が行う対策型検診は、40歳以上が対象で、マンモグラフィー(乳房X線検査)と視触診を行います。対策型検診の年齢に該当しない人や、職場の健診や扶養者健診で乳がん検診を受ける機会がある人以外は、任意型検診として自費で受けることができるので、専門医に相談を。40歳未満でも乳がんにかかる危険因子がある人は、検診を受けましょう。マンモグラフィーは、石灰化などの病変を見つけるのに優れていますが、乳腺の密度が高い「高濃度乳房」の人の場合は見つけにくいことも多く、超音波検査を併用することでがんの見落としが少なくなります。

また熊本市では、無料クーポンによる乳がん検診も実施しています。対象は本年度内に41歳になる女性で、平成30年4月20日現在、熊本市に住民票がある方です。クーポンの有効期限は平成31年2月28日まで。クーポンを持っている方は、指定の医療機関に早めに予約しましょう。 熊本県の平成27年度乳がん検診受診者数4万1712人中、要精密検査になったのは2599人、そのうち乳癌と診断されたのは135人で、ほとんどが早期がんでした。要精密検査となったからといってがんであるとは限りませんが、そのままにしておくと早期で見つかる機会を逃してしまいます。がん検診で要精密検査となったら、怖がらずに専門医を受診しましょう。

(※1)人工動態統計(厚生労働省)参照 (※3)国民生活基礎調査、地域保健・健康水神事業報告(厚生労働省)参照


ピンクリボン運動とは 

1980年代にアメリカで、乳がんの早期発見の重要性を伝える市民活動として生まれたもの。90年代には日本でも活動が始まり、今では全国で検診の重要性をアピールする、さまざまな運動が行われています。

乳がんにかかるリスクを高める因子(※2)

(1)家族(祖父、母、姉妹)が乳がんにかかったことがある
(2)本人が乳がんその他の乳腺疾患になったことがある
(3)高齢初産(30歳以上)か、出産歴がない
(4)初潮が早く(11歳以下)、閉経が遅い(55歳以上)
(5)閉経後の肥満
(6)長期間のホルモン補充治療を受けている(更年期障害の治療など)


すぱいすピンクリボンキャンペーン

10月6日(土)10時〜15時 下通パルコ前

乳がんを取り巻く現状や、検診の流れを説明したパネルによる情報提供のほか、しこりに触れることができる乳房触診モデルなどを設置。乳がん検診に関するアンケートに答えてくれた方には、すぱいすノベルティーをプレゼント! ぜひ、気軽にお立ち寄りください。
→台風25号接近のため中止となります

お問い合わせ

熊本日日新聞社業務推進局

TEL
096-361-3345

NPOピンクリボンくまもとイベント

10月8日(月)9時〜11時 みわクリニック(中央区帯山5-8-22)
10月8日(月)13時30分〜16時 くまもと県民交流館パレア 第3会議室

午前は「体験マンモグラフィー」(40歳以上、1500円)「体験エコー」(39歳以下、500円)を実施。熊本市乳がん検診・無料クーポン検診も受け付けます。午後は「喝!」料理道場でおなじみの吉本多恵子先生が自身の治療体験も踏まえて「元気の出るレシピ」について講演。乳がん最新検査に関するミニレクチャーもあります。参加はHPの“申し込み先”から名前、年齢、連絡先、希望時間をお知らせください。
http://www.pinkribbonkumamoto.com/


【監修】

秋月 美和医師(NPO法人ピンクリボンくまもと代表、乳腺専門外来 みわクリニック院長)