メディカルインタビュー 脳神経内科編

手足のふるえやこわばりが初期症状として見られるパーキンソン病。国内指定難病の中でも、有病者の多い疾患として知られています。症状や治療法などについて、専門の医師に聞きました。

─パーキンソン病とはどのような病気ですか。

内野 この病気は、英国の医師、ジェームズ・パーキンソンにより初めて報告されたことから、彼の名にちなみ「パーキンソン病」と呼ばれるようになりました。330を超える国内指定難病の中でも群を抜いて有病者が多く、現在、約13万人が発病しているといわれています。特に60代~70代で発症する人が多く、高齢化に伴いその数は増え続けています。

─パーキンソン病の原因は。

内野 以前は、パーキンソン病というと原因も分からない、治療法もない難病と考えられていましたが、近年その発症のメカニズムが解明されてきました。この疾患には、遺伝性と、非遺伝性のものがあり、ほぼ9割が非遺伝性のものといわれています。中脳の黒質という部分にあるドーパミン神経細胞が減少することにより発症すると考えられています。まず普段の生活の中で、嗅覚の低下や、便秘、夜間の頻尿、発汗過多、睡眠障害などが見られる人も多いようです。そして、症状が少しずつ進行すると、安静時でも手や足にふるえが起こるほか、手足のこわばり、足のすくみ、ちょこちょこと小刻みにすり足で歩くなど、さまざまな運動症状が現れます。

─パーキンソン病と診断された場合の治療法は。

内野 主に、ドーパミン受容体を刺激する薬などを投与する薬物療法と、脳の深層部に電極を流す刺激療法やリハビリなどの非薬物療法を並行して施します。薬の種類や量も、一人一人の症状の現れ方、進行度合を見ながら調整します。また近年は、iPS細胞やES細胞を使った細胞移植なども行われるようになりました。

─リハビリを効果的に行うことで、症状の進行を緩和できるそうですね。

内野 特に有酸素運動を強化することで、症状が緩和するという結果が出ています。また、大きな声を出す発声法や、ラジオ体操、スクワットなど体を大きく動かす運動なども取り入れます。プールなどでの水中歩行も有効です。薬物療法とリハビリなどを、それぞれの症状に合わせて効果的に取り入れることで、進行を抑えることができます。現在、パーキンソン病にはさまざまな治療法がありますので、日常生活を送りながら治療することも可能です。手足のふるえやこわばりなど、気になる症状がある人は、早めに専門の医療機関に相談されることをおすすめします。

くまもと南部広域病院 理事長・院長 内野 誠氏

店舗情報

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TEL
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診療科目
内科/脳神経内科/脳神経外科/循環器内科/呼吸器内科/消化器内科/代謝内科/外科/整形外科/リハビリテーション科/皮膚科/精神科