メディカルインタビュー 整形外科編
足のしびれや痛みを伴い、重症化すると排尿障害などが起こる腰椎椎間板ヘルニア。昨年8月、新薬が認可され、治療の選択肢が広がっているそうです。症状や治療法について専門の医師に聞きました。
─腰椎椎間板ヘルニアとは。
成尾 腰の骨と骨をつなぐ椎間板に負担がかかり、髄核と呼ばれる軟らかい組織が飛び出し、これが周辺の神経を圧迫して、痛みやしびれを引き起こしている状態をいいます。多くの人は、太ももやすねに痛みが走り、足や腰の痛みだけでなく、ひどくなれば足の筋力が低下したり排尿障害が起こることもあります。
─どのような治療がありますか。
成尾 まずは、痛みや炎症を抑える鎮痛薬や湿布などで経過を見ます。また、痛みが強い方には神経に薬剤を注入して痛みを抑える神経ブロックなどの薬物療法による治療を行います。これらの治療でも改善しない場合、手術を検討します。現在は、内視鏡や顕微鏡を使った低侵襲手術により、体への負担は軽減されるようになりました。症状により個人差はありますが、手術の翌日には歩けるようになり、入院期間は1~3週間ほどです。
─ヘルニコアという新薬が保険適用になったそうですね。
成尾 昨年8月に認可されたもので、椎間板内に酵素を含んだ薬剤を直接注射して神経の圧迫を弱め、痛みを軽減させます。治療そのものは30分程度で終わり、日帰りもできますが、様子を見るために1日入院する場合もあります。効果が表れるには2~4週間かかるといわれています。アレルギーのある方や、患者さんの症状によっては投与が難しい場合があります。詳しくは専門の医療機関に相談されることをお勧めします。
成尾整形外科病院 理事長・院長 成尾政一郎氏
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