メディカルインタビュー 産婦人科編

女性特有の、子宮や腟が下がってくる「骨盤臓器脱」。あまり知られていませんが、悩んでいる女性が少なくないそう。専門医に詳しく聞きました。

─子宮や膣が下がってくる病気があるそうですね。

蓮田 骨盤の中にある臓器、つまり子宮、腟、ぼうこう、腸などが下がったり体外に脱出したりする病気を骨盤臓器脱と呼びます。この病気の初期では、「何となく下がった感じ」や腟の違和感があります。進行すると、何かが股間に挟まったような感じがしますが、「夕方に挟まった感じがあるけれど、お風呂に入ると治る」というように、一時的な症状にとどまります。しかし、最も進行した状態では、常に股間に肉の塊がぶら下がった状態になり、歩くのにも支障が出ます。「尿が出にくい」「おしっこが近い」などの泌尿器症状や、便秘の症状を伴うこともあります。

─なりやすい人の傾向は。

蓮田 骨盤臓器脱は60代以上の女性に比較的多く見られます。ただ、40代や50代で発生することもあります。当院で8000人以上の女性にアンケート調査を行ったところ、5~6%の女性が骨盤臓器脱の症状がありました。症状で悩みながらも一人で抱え込んでいる方も少なくありません。「どこに相談すればよいか分からない」「産婦人科には行きづらい」「年だから仕方がない」などの理由や諦めがあるようです。

─治療方法は。

蓮田 ペッサリーと呼ばれるリングを腟の中に入れる方法があります。ペッサリーを腟の中に入れると、これに子宮や腟が引っかかって下がってこなくなります。外来で行うことができ、治療当日から「調子が良くなった」と喜ばれる方も少なくありません。「手術が怖い」「忙しくて入院できない」という方におすすめしています。その他、高齢や他の病気を合併していて麻酔、手術が危険な方にも適しています。

─デメリットはありますか。

蓮田 この方法は根本的に骨盤臓器脱を治療しているわけではないため、ペッサリーを取り出せば元の状態になります。ちょうどカツラのようなものです。また、骨盤臓器脱が進行するとペッサリーの効果が得られず、ペッサリー自体が脱出してしまいます。高齢の方の腟は弱くなっています。ペッサリーを入れると腟が圧迫されてただれてしまい、出血やおりものが多くなることがあるほか、ペッサリーに膣の肉が絡み付いてしまうこともあります。防ぐためには、定期的な診察とペッサリーの入れ替えが必要です。ペッサリーでうまくいかない方や定期的な入れ替えが負担になる方は手術になります。この病気は治療で治る病気ですので、諦めずに専門の医師に相談していただきたいと思います。

慈恵病院 副院長 蓮田 健氏 九州大学医学部卒業。九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務

店舗情報

医療法人 聖粒会 慈恵病院

住所
熊本市西区島崎6-1-27
TEL
096-355-6131
診療科目
・内科 ・糖尿病、代謝内科 ・内分泌内科 ・消火器内科 ・小児科 ・麻酔科(志茂田治医師) ・産婦人科(産科・婦人科・乳腺外科)
診療時間/産婦人科
月~金曜/9時~12時・13時30分~19時(木曜は午前中のみ)、 土曜/9時~12時・13時30分~17時 ※産婦人科の急患の方は、いつでもご相談ください。
診療時間/内科・小児科
月~土曜/9時~12時・13時30分~17時(木曜は午前中のみ)
診療時間/麻酔科
金曜/13時30分~17時
面会時間
平日14時~20時、日曜・祝日10時~20時
備考
※麻酔科および妊婦検診は予約制です  ※手術や分娩によっては診療時間が変更になる場合があります