─婦人科を受診するのはどんな症状の方ですか。

平井　月経や帯下（おりもの）の異常、不正出血、尿に関する悩みなど、受診のきっかけはさまざまです。中には、くしゃみをすると尿が漏れるという方もいらっしゃいます。尿漏れは、出産、加齢によって腟や尿道が十分に締まらなくなることで起こりやすくなります。趣味のスポーツを諦めたり、外出を控えたりするなど、QOL（生活の質）の低下にもつながりかねません。

─尿漏れの治療法は。

平井　最近は、尿道周辺に高周波を当て、コラーゲンの生成を促す治療が行われるようになりました（自由診療）。尿道やデリケートゾーン全体が引き締められ、症状の改善に有効とされています。また、腟内の乾燥などが改善され、性交痛の軽減も期待されます。治療中の痛みや体への負担が少ないのも特長です。

─受診に抵抗を感じる方も多いようです。

平井　羞恥心から一人で悩む方が多く、さらに、婦人科の内診に対する不安も重なり、受診をためらう方もいらっしゃいます。しかし、婦人科だからといって必ずしも内診を行うわけではありません。受診をためらうことで症状が悪化したり、病気の発見が遅れたりすることの方が心配です。症状や悩みを気負わずに相談でき、ライフステージによって起こり得る女性の悩みに寄り添ってくれる“かかりつけ医”を見つけることが大切です。ホームページで、院内の雰囲気や口コミなども参考にされてください。女性としての人生を豊かで快適に過ごすためにも、まずは一歩を踏み出していただきたいですね。