メディカルインタビュー 産婦人科編

無月経や無排卵などの月経異常には、「多嚢胞(のうほう)性卵巣症候群(PCOS)」という疾患が隠れている可能性があり、その場合、不妊の原因になる排卵障害を引き起こすそうです。治療法や気を付ける点などを専門医に聞きました。

─毎月生理が来ていても、月経異常の場合があるのでしょうか。

岩政 月経周期が28~32日で安定していて、予定通りに月経が来るという方は、毎月排卵していると考えてよいでしょう。しかし、もともと月経不順で、過度にダイエットをしたり、仕事などで生活が不規則になったりする場合は、たとえ毎月月経が来ても排卵を伴っていないことがあります。他に、「月経周期が39日以上3カ月以内」「薬を服用しないと月経がない」という場合も、排卵していない可能性があります。このような月経異常を主な症状とする疾患の一つに「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」があります。

─「多嚢胞性卵巣症候群」とは。

岩政 PCOSは成長が止まった小さな卵胞が卵巣内にたまり、排卵しにくくなる状態で、若年女性の排卵障害の中で多く見られます。明確な原因は解明されていませんが、卵巣内の男性ホルモンが高くなるなど、ホルモン値のバランスが乱れることや、血糖を下げる働きがあるインスリンの効きが悪くなることなどが、排卵障害につながると考えられます。治療は、妊娠を希望する場合、排卵誘発剤やインスリンの効果が出やすくなる薬を使用するほか、腹腔(ふくくう)鏡下で卵巣に小さな穴を開けることで、排卵機能を回復させる方法もあります。しかし、治療以前に、運動習慣や食習慣などを改善することも大切です。また、PCOSは子宮体がんにつながることもあります。月経の異変を見過ごさず、早めに専門医にご相談ください。

ソフィアレディースクリニック水道町 院長 岩政 仁氏