メディカルインタビュー 産婦人科編

デリケートな部分の悩みは病院の受診をためらいがちになります。「尿もれ」もその一つ。しかし、治療によって症状が改善されるケースが少なくないそうです。専門医に詳しく聞きました。

─尿もれに悩む女性が少なくないそうですね。

蓮田 尿失禁という症状は、よく尿もれという言葉で表現されます。女性には意外と多く40~50%に尿失禁があるともいわれます。女性の尿道は男性に比べて短くなっています。また、男性の尿道はしっかりした筋肉で覆われていますが、女性の尿道周囲の筋肉は弱いため尿失禁を起こしやすいのです。尿失禁は年齢が上がるにつれ増えてきますが、これは年齢とともに筋力が低下するからだといわれています。

─どのような時に尿もれが起こりますか。

蓮田 尿失禁にはいくつかの種類があり、よく見られるのは「切迫性尿失禁」と「腹圧性尿失禁」です。「切迫性尿失禁」とは、「急に尿がしたくなり、トイレに行く前に間に合わずもれる」タイプで内服治療が中心になります。一方、「腹圧性尿失禁」は次のような時に尿もれが起きるタイプです。①せきやくしゃみの時②急に立ち上がった時③走った時④階段を上る時⑤重い荷物を持ち上げた時⑥大笑いした時など、このような時に症状がある方は腹圧性尿失禁の可能性があります。

─腹圧性尿失禁の治療法は。

蓮田 腹圧性尿失禁でも、症状が軽い時には内服薬や「骨盤底筋体操」と呼ばれる方法で改善します。症状が重くなると手術が必要になり、いくつかの方法が考案されています。「TOT手術」と呼ばれる方法は尿道の下に尿道を支持するためのテープを挿入するもので、30分程度の手術になります。患者さんへの負担が少なく、病院によっては日帰り手術を行っているところがあるほどです。手術の痛みがないように腰からの麻酔を用いる場合には2泊3日の入院を要します。この手術で9割の方が良くなるといわれています。その効果は劇的で、手術の翌日に尿失禁が消失すると、手術に携わった医師でさえ驚きます。

─放置するとどうなりますか。

蓮田 尿失禁がひどくなると生活に大きく支障を来します。「外出先ではいつもトイレを探しておかなければいけない」「仕事で外回りができない」「臭いが気になる」「旅行に行けない」など悩みは深刻です。尿失禁はデリケートな部分を含む問題のためか、「恥ずかしい」という気持ちが伴い病院を受診しない方もいます。また、「年だからしょうがない」と諦めている方もいます。治療によって症状が改善されることも少なくありませんので、一度専門医に相談されてはいかがでしょうか。

慈恵病院 副院長 蓮田 健氏 九州大学医学部卒業。九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務

店舗情報

医療法人 聖粒会 慈恵病院

住所
熊本市西区島崎6-1-27
TEL
096-355-6131
診療科目
・内科 ・糖尿病、代謝内科 ・内分泌内科 ・消火器内科 ・小児科 ・麻酔科(志茂田治医師) ・産婦人科(産科・婦人科・乳腺外科)
診療時間/産婦人科
月~金曜/9時~12時・13時30分~19時(木曜は午前中のみ)、 土曜/9時~12時・13時30分~17時 ※産婦人科の急患の方は、いつでもご相談ください。
診療時間/内科・小児科
月~土曜/9時~12時・13時30分~17時(木曜は午前中のみ)
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金曜/13時30分~17時
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備考
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