メディカルインタビュー 産婦人科編
妊娠中に風疹にかかると、難聴や白内障などの赤ちゃんが生まれる確率が高くなるといわれています。妊娠する前に受けておいた方がよいとされる抗体検査について専門家に聞きました。
─風疹が流行する季節ですね。
岩政 風疹は、春先から初夏にかけて流行する感染症です。妊娠初期の女性が感染すると、難聴や白内障、心臓構造異常などの先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる確率が高くなります。国内では2004年と13年に全国的に大流行し、大きな問題になりました。日本産婦人科学会では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時の流行を懸念しており、今後も注意が必要です。
─風疹抗体検査について教えてください。
岩政 風疹に対する抗体の有無は風疹抗体検査で調べることができます。血液検査の結果、十分な抗体があれば風疹には感染しませんが、抗体がない、あるいは抗体値が低いと、風疹に感染する可能性があります。その場合は、妊娠していないことを確認し、ワクチンを接種します。その後、一定期間の避妊が必要です。パートナーや同居者が風疹ウイルスを持ち帰ることもありますので、同時に抗体検査を受けましょう。
─検査が無料になる助成制度もあるそうですね。
岩政 はい。多くの自治体では、風疹の抗体検査を無料で行っています。熊本市は、妊娠を希望する女性だけでなく、そのパートナーや同居者なども対象です。ただし、これまで抗体検査や風疹の予防接種を受けたことのない人、風疹にかかったことのない人に限られています。自治体によって助成内容が異なりますので、お住まいの自治体の担当課まで問い合わせを。
ソフィアレディースクリニック水道町 院長 岩政 仁氏
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