穏やかに、ゆっくりと伝える 初めての性教育
子どもになかなか伝えづらい「性」の話。就学前の子どもにはどう伝えればいいのか、子どもの性教育に取り組むNPO法人「せいしとらんし熊本」の理事長・中村和可子さんに聞きました。
3歳から穏やかに話を
子どもは、3歳くらいに「おちんちんが付いている」「付いていない」といった、性器への興味を持ち始めます。それは異常なことではなく、成長発達の通過点の一つ。肯定的に捉えた上で、まずは「パンツの中は自分だけの特別なところ」と教えましょう。その積み重ねで「人の前では出さない、触らない」「他の人に触らせない」「他の人のものを触らない」といった社会性を育むことができるよう少しずつ伝えていきます。
パンツの中は特別で大事なところなんだよ!
プライベートゾーンは自分ひとりが触る場所
「プライベートゾーン(パーツ)」は自分だけが触ることができる場所です。3歳の「パンツの中は特別」といったメッセージから始め、小学校入学までに「胸」「口」もプライベートゾーンと教えます。ただ「絶対人前で触ったらダメ!!」と強く話すのではなく、子どもとのつながりを確認しながら穏やかに伝えることが重要です。
「子どもあるある」に過剰に反応しない
小さな子どもにとって自分の性器を見せたり、母親のおっぱいを触ったりするのは珍しいことではありません。ただ、そこで「やめなさい!」と叱る、「赤ちゃんだから〜」と笑うなど、周りが過剰に反応すると、何度も繰り返す可能性も。「みんなの前では出さないようにしよう」「おっぱいはもう触らないようにね」とできるだけ平常心で話します。
「好奇心」に答えてあげよう
子どもが「赤ちゃんはどうやって生まれるの?」と聞くのは、単純な好奇心から。そのため、はぐらかさず話すのが大事です。「パパとママが仲良ししてできた」「ママのおなかに卵、パパのおちんちんに赤ちゃんのもとがあって巡り合ってできた」などと、年齢に応じて説明をします。
絵本を使うのも一つの手
伝え方に悩んだら、絵本を通して教えるのも一つの方法です。『わたしのはなし』『ぼくのはなし』(山本直英・和歌山静子著、童心社)など、子どもと一緒に読める性教育の絵本も多く出版されています。図書館や書店でチェックしてみましょう。
「せいしとらんし熊本」では、親子向けの講座も行っています。
教えてくれたのは
NPO法人 せいしとらんし熊本 理事長
中村 和可子さん
性教育の基本は「命の大切さを伝える」「あなたが大事だと伝える」こと。各家庭でしっかり話をしてほしいですね。
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