「耳が」
「なんか、3日くらい前から耳の中で風が吹いてる」
ある日、息子がぽそりと言った。
何だろう。なんか嫌な予感。
「あんたの耳掃除が足りないんだよ。どら!」
と、久しぶりに息子の耳掃除をした。
まーーーー面白いように出てくる。
こんだけ詰まれば風も吹くわ。ホラ、治ったでしょ?
「まだ吹いてる」
色々調べてみると、なんと
ストレスからそんな状態になることが判明。
そうか…。これからの方向性が決まるまで
悩みに悩んだ高校3年生だものね。
それも仕方ないか。
念のため耳鼻咽喉科にも行くことに。
でもメンタル系はねえ。耳鼻科に行ってもねえ…。
しかし先生は息子の耳を一目見るなり、
「あ、何かありますね」
「お母さんこちらへ。見てください。」
双眼鏡のようなものをのぞかせてもらうと、そこには…
「あ、何かある! 黒いのが!!」
「鼓膜に何か張り付いてるみたいです。
無理に取ると傷つくので、後日また来てください」
と、耳の中に垂らして柔らかくする薬とやらをもらった。
「で、何が見えたの?」と息子。
「うん、なんかくろいの」と私。
後日、無事に取れたらしく
風はその日におさまったらしい。
ドキドキ…「で、黒いのは何か見せてもらった?」
「いや、多分吸引器で吸い込まれたから」
ドキドキ…
よかった…
見覚えのある黒いの…
そう、以前耳掃除でうっかり…
出血した…
かさぶたじゃ…
ないかな…
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