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7話 「見上げる青空」

発達障害どころか自閉症自体に知識も何もなく、
どこか病気なら薬や治療で治るのでは、と考えていた私に
「治ることはない」と釘を刺した後、先生が言った。

「一生付き合っていく障害ですが、成長に伴って学びますから。
それで今までイライラした時にバシッとたたいていたのが、
ポンと軽く押す、くらいで気持ちを昇華できるようになっていきますよ。
お友達ともうまく付き合えるようになります。大丈夫です」

そうして帰り際に先生は
「これは発達障害を特集した番組を僕がダビングしたやつだけどね。これをあげます。
分かりやすいと思うから見てみたらいいですよ」
と、1枚のDVDを渡してくれた。

ずっと泣き通しだった私の横には、ミニカーで無邪気に遊ぶたかぞうと
一緒についてきてくださった担任の先生。

診察を終えた私のそばに、担任が恐る恐る近づいてきて
「お母さん、…大丈夫ですか?」と声を掛けた。

「先生、ありがとうございました! ここへ連れてきてくださらなかったら、
私どうなっていたか!! 本当に良かった! あー良かった!!」
満面の笑みで、良かった良かったを繰り返す私を見て、今度は先生が泣き始めた。
「そんなふうにとらえていただけるとは思いませんでした」

われながら、能天気だったのだと思う。
わが子に一生治らない障害を宣告されたと言うのに、
その時の私には「良かった」という思いが大き過ぎて
病院を出た後に見上げた
青空さえ美しく輝いて見えた。

家に帰り、旦那に話し、二人でDVDを見て納得。
たかぞうは、確かにアスぺだわ。

そして、事態が激変したのはその数日後のことだった。

(つづく)