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12話 「眠らない赤ちゃん」

発達障害の症状に、睡眠障害と聴覚過敏があるらしい。
思い返せば、たかぞうはとにかく眠らない赤ちゃんだった。
初めての子どもだったので、こんなもんかと思いながらの子育てだったけど
ほぼ毎晩の夜泣きは、3歳まで続いた。
やっとの思いで寝せた後も、カシャッというスーパーのビニール袋の音で
ビクッ! と手を振り上げ、うわあああああん!! と振り出しに。
たかぞうが寝た後のテレビは、イヤホンで見るしかなかった。
「そがん神経質にするけん、よけいいかんとたい!」と実母におしかりを受ける。

※イメージ

ある日、友人宅で大音量のテレビの前で、スースー寝息をたてて眠る赤ちゃんを見てがくぜん。
え、なんでこんな音の中で寝てるの? この赤ちゃん。
静かにしすぎなのかなあ、やっぱりあたしが神経質にしすぎたのかなあ。
何度も試したけど、やはり音が聞こえる中ではギャン泣きするばかりで、
なかなか寝てはくれなかった。

今現在、自分のことを言葉で伝えられる年齢になった息子が言う。
「雑音が聞こえると、耳にドリルを突っ込まれてるように苦痛に感じる」
3和音まで聞き取れる絶対音感は、先天性の聴覚過敏のたまもの。
しかしその能力は聞きたくない音まで拾ってしまうため、ひどく疲れるらしい。

そんなことは知らない当時の私たちは、なんでこの子はこんなに寝ないんだろうとイライラ。
真夜中のドライブにお散歩、気づけば朝を迎える日もしばしば。
赤ちゃんって、寝てばかりいるものだと思ってた。
私、いつになったらぐっすり眠れるんだろう。
この頃は、そんなことばかり考えていたような気がする。

(つづく)