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13話 「くるくる大好き」

寝返りをし始め、ハイハイをし、つかまり立ちからはじめてのあんよ。
成長曲線に沿って順調に大きくなってるし、よかったよかった。
そんな中、これからは早期教育が大事! と購入した高額英語教材。
さらに友人がお祝いにくれたパズル式の知育玩具。
それらが息子の大のお気に入りになった。

※イメージ

くるくる回る花を歯車のようにつなげて、延々と回し続ける息子。
同じように、ミニカーや車のおもちゃも大好き。
ただ、その遊びは横からタイヤが回るのを見続けているだけのようだった。
ベビーカーもしかり、座っていても外の景色ではなく地面とタイヤの接地面を見るために
体を大きく曲げ、ずっと下を見ている。
落ちているペンはとりあえず回す。逆さまのミニカーも回す。
夜泣きの際は車を飛ばして工事現場の電光標識を探し、ピカピカくるくるをじっと眺める夜が続く。

今思えば、この時初めてある言葉が頭をよぎった。
『昔見た漫画に出ていた障害がある子も、指をずっと回していたっけなあ』
…まさか。うちの子は順調に成長している。ちゃんと成長してるし、言葉も話すし、
無理して買った英語教材のおかげでアルファベットだってもう読めるんだし。そんなはずない。
そう強く思い込んで、その考えはその時からどっかの引き出しにしまうことにした。

だって、私知らなかった。
回転するものが好きで見ているんだと思ってたら、
「変わらないもの」を見ることで安心しようとしていたなんて。

ちょっと元気がよくて、個性的な子。
自分がそうだし、旦那もそうだし、
その頃は息子が特別な子だとは思ってもみなかった。

(つづく)