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16話 「忘れ物大王」

「たかぞう! ランドセルに教科書が一冊も入ってないよ!?」
「なんで火曜日なのに上履き持って帰って来たの?」
「…このプリントの提出期限、先週だったけど」

小学校へ入学して、最初の難関が「プリント」の処理だった。
保育園では、「連絡帳」に各種お知らせが挟んであったりしてたけど
小学校には、「自分の机の引き出し」という
ブラックホールがある。

※イメージ

そこに突っ込まれたが最後、日の目を見ることはなく
運よくランドセルへ移動したとしても
容赦なく突っ込まれた教科書や筆箱に押され
底の方から蛇腹式に折りたたまれてビロビロになり、数日後に発見されることに。
特に入学直後は、提出しなければならないプリントが
山のようにあるのよ。お願い。持って帰ってきて。
そして持って行った提出用のプリントを、そのまま持って帰ってこないで。
息子は忘れ物大王、その母親もこれまた忘れ物女王で
それに輪をかけた忘れ物&探し物大魔王たる旦那がいる以上、
貴家に平和が訪れることはなかった。
それは平成が終わろうとしている今現在も続いている。

「あ、忘れとった」
このせりふが毎日何度繰り返されることか。
とにかくこの忘れ物大王は、中学生になっても
その王座に君臨し続けることになる。

それはADHD(注意欠如多動性障害)の要素も持つがゆえの宿命でもあった。
(つづく)