32話 「入試までの道のり」
模試で他人の目線を受けたことが恐怖になり、
もう受けたくないと言い始めた息子。
しかし受験当日まであと最低でも3回は模試を受けてほしい。
何度も「何かさるっとでばしあるごつ!
(何かされたりするわけでもあるまいに、の意)」と笑って言っても
どよんとした表情が変わることはなかった。
※イメージ
このままだと、受験日に逃亡してしまうかも知れない。
そんな中で申し込んでしまった塾の「冬期講習」。
お友達も行ってるし、先生方は帰省されるから家庭教師呼べないし、
受験対策としてたったの1週間だし。
いけるよね?
大丈夫よね?
本人はしぶしぶ了承。
しかし。
初日の夜、またも暗い暗いたかぞう。
「たかぞう、…塾どうだった?」
「目が」
「みんなの目が怖くて」
結局、冬期講習は初日一日行っただけで、
後日ずっしりと重いテキストだけをお持ち帰りすることになった。
ああ、この紙の束が何万円なのかしら。
しかし、さすがにそのことを悪いと思ったのか、
最後の模試も、受験も
泣き言ひとつ言わず立ち向かって行った。
本当に偉いと思った。
失敗もたくさんあった。
でも、少しづつ前へ向かってることがうれしい。
本当にいろんなことを親子ともども学ぶことができた
中学生活だったと思う。
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