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33話 「そして高校受験」

受験の際、志望校の選択が大きな課題だった。
進路を決める際に、必ず聞くのが「好きなものは何?」という言葉。
すると、息子の場合、決まって返事は「ゲーム」「パソコン」となる。
じゃあ、そっち方面に進める学校を…という選択。

でも、それって本人の気質や学校の雰囲気から考えなくていいの?
高校には何とか行けても、大学なんて華やかな所に行けるの?
てか、うちの経済状況で大学行かせられるの?

※イメージ

いろんな考えが渦巻く中、本人が希望した高校は家から近い進学校。
しかも、合格ボーダーライン。
そうなると、先生たちは「安全策」としてワンランク下の高校への受験を勧める。
そこで私は、愚かにも先生たちと同じ安全策を支持してしまった。

今思えば、あの時先生とケンカしてでも行きたい高校を受験させてあげるべきだった。
でも、あれだけ勉強したのに、と挫折させたくなかった。
おめでとう、良かったね!と言いたかった。
そして経済的にも公立に行ってほしかった。

完全なる親のエゴで、たかぞう(仮名)は進路を変えた。

「大丈夫、ゲームの勉強はそこでもできるから!」と
なかばだましたような形で、行きたかった高校を無理やり変えさせたのだ。

そしてたかぞうは私立、公立ともに合格することができた。
受験時にこなしたプリントは、高さが30センチをゆうに超えていて、
それを見るたびに涙が出る。

本当によく頑張った。
うちの息子は、やればできるんだ。

その時は、合格できた喜びで何もかもがアホになっていた。

私は本当に愚かだった。

(第3章終わり)


第3章を終えて

監修・熊本託麻台リハビリテーション病院 小児科部長 大谷 宜伸先生 より

 いろいろあったけど、無事高校合格おめでとうございます! 子育てをしていると、どの子でも幼児期から就学へ、また中学進学を通して思いもかけない出来事に遭遇しますよね。 
 とりわけ発達障がいのお子様は、ものの見方や受け止め方がとってもユニークなので「何でそうなるの?」と周りからは理解されにくい行動をとることもしばしば。何かトラブルが起こったときは、お子様のことを学び直す良いチャンス。叱りつけて行動を直すのではなく、どう感じ、何に困っているのか、どうすれば心穏やかに過ごせるのか、周囲が配慮し工夫をすることが求められます。小学校までは特別支援クラスで大きなトラブルなく過ごせていても、思春期に難しくなって、中学校でつらい体験をしてしまうことも。
 そんな悲しいことを防ぐためには“この子はこんな特性があるから、こうすればうまくいくよね”といったお子様の貴重な支援情報を次の先生方に伝え、ライフステージの切り替わりを上手につないであげたいですね。親も先生方も、子育てや教育の場で予期せぬ悩みに直面したとき、お互いを責めるのではなく「話し合い、工夫する」ことで、意外なヒントが見つかり、少しずつでも“お子様と一緒に成長する”ことができるのかもしれません。