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35話 「まって、まだ2日目」

入学式の翌日、心配しながらも
「行ってきます」と自転車で出発したたかぞうを見送る。

ああ、事故にあいませんように。

どうか、どうか無事に帰ってきますように。

道の途中でパニックになりませんように。

※イメージ

中学の頃も、家でばかり遊んでいたたかぞう(仮名)は
友達と自転車でどこかへ行くことなどほとんどなかった。
これから毎日、数キロを毎朝毎夕自転車か…
とにかく、慣れるまでは心配だけど
あとは本人の成長に任せるしかない。
頑張れ! たかぞう!!

…遅いねえ。
おかしいねえ。もう真っ暗だけど…
まさか事故とか、やっぱり何かあったとか。
いや、でももう高校生だし、もしかしたら
新しい友達とどこかで遊んで帰ってるかもしれないし。
でもどうしたんだろう?どうする、学校連絡してみる?

そんなことを旦那と話していたら、やっと自転車を止める音が。
「ああ、よかった!おかえり、遅かったね! …?」

そこには、ものすごく疲れ果てた顔をしたたかぞうがいた。
無言のまま部屋へ行き、どさりとカバンを投げる音。
そしてリビングに入るなり、

「お母さん、俺は軍隊にでも入ったのかと思ったよ」
「弁当がでかすぎるよ」
「高校って、なんかおかしくない?」

帰って来るなりのネガティブ発言。
…あれ、これってまさか。なんかやばくない?

(つづく)