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46話 「それはある秋の午後 その3」

「最初に気づいてくれたのは、保育園の先生。
そのおかげで、あなたの障害がはやいうちにわかって
適正な対応ができた。

もし、あの時先生が病院へ連れて行ってくれなかったら、
今こうしてたかぞうとおだやかに話なんてできなかったと思う。」

そう、私たちはいろんな人たちに守られて、
支えられてここまで来れた。
辛いこともあった学校生活だったけど、
先生たちもみんなあなたの為になると思って
頑張ってくれてたのよ。

とにかく、今おかれてる環境がどれだけ恵まれているか、
決して今の状況は悲観するものではなく、
素晴らしいものかを涙ながらに必死に語った。

ひとしきり話し、日暮れが近くなったので家に帰ることに。
家では、そわそわしながら旦那が帰りを待っていた。
私の泣きはらした目を見て察したのか、
息子を自分の隣に座らせて肩を抱き、「聞いたんだな。どう思った?」
と優しく話しかけた。

「うん、まだ色々聞きすぎて頭の中がまとまらないけど…
俺が、いろんな人たちのおかげでこうしていられることがわかった。」
「そして、お父さんとお母さんが俺をすごく愛して育ててくれたおかげで、
ホラ、こんなに優しいいい子に育ったんだよ」と
恥ずかしそうに両手を広げておどけて見せた。

枯れたと思ってた涙がまたあふれ出した。
「こ、こんなに幸せでいいのかしら」と泣きながら大笑い。
こんな日が来るなんて。

本当に嬉しかった。