49話 「オープンキャンパス」
いよいよ高校3年生になったたかぞうは、
そろそろ進路を決めなければならない。
前回伝えた「お勉強」ブームも、時が経つにつれ下火になり、
新たな目標を作ってみたらまた頑張れるかもね、と
色々なオープンキャンパスに参加してみた。
※イメージ
中でも、大学のオープンキャンパスでは
元気ハツラツとした学生たちが、にこやかに
「ようこそ!」と次々にごあいさつ。
各会場で、ニコニコと笑顔でもてなされ
そこには、楽しいキャンパスライフを謳歌しているだろう
日本の未来を担う若者たちが、
後輩になるかもしれない高校生たちに
大学の事を明るく楽しく説明してくれていた。
ああ、この空気感懐かしいなあ。
大人と子供のはざまで
自由な時ってこの頃だけだったなあ…
としみじみうらやましく思いながら、
たかぞうと一緒に回っていく。
しかし、参加すればするほどキョドるたかぞう。
「こんなキラキラしたところは…」
「俺には合わないね。イメージが沸かん」
「ですね。」
まだ途中だったけど、そそくさとその場を離れた。
あそこにいた子達は、きっと大学の中でも
社交的で活動的な子達ばかりだったはずで
中にはおとなしい子ももちろんいるはずなのに、
たかぞうには固定されたイメージがついてしまったようだった。
大学へ行くために猛勉強する、というドラマのような展開には
当たり前だけどなることはなく、
漠然と専門学校へと進路を決めた。
(つづく)
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