眠れない森のお姫さま

ようこそ星の王子さま 続編

    

学校へ行けなくなり始めた頃に一番困ったのは、
脱水症状が出るほどの嘔吐(おうと)でした。
一度こうなると一日にお豆腐を半丁食べるのがやっとで、
水を飲んでも吐きまくり。薬を飲んでもすぐ戻す。
黄色い胃液まで吐くのが3日間、月に1〜2回続いてました。
夜中に救急病院へ駆け込み、点滴を受けることもしばしば。
しかし、4日目にはケロリと元気になって学校へ。
焼肉だろうがトンカツだろうがガツガツ食べるので
本当に何が原因なのかさっぱり。
いろいろ病院を渡り歩く中で、それが
「周期性嘔吐症」、昔でいう「自家中毒」ですと
やっと診断を受けることができました。
エネルギー代謝に問題があるため、
「空腹」と「疲労」が重なると症状が出るそうです。
しかし、家ならまだしも、学校へ通う中ではなかなか
空腹と疲労を重ならないようにすることは難しく、
あんなに憧れて入った吹奏楽部にも参加できなくなっていました。

先生方に事情を説明して小さなおにぎりを学校に持たせるものの
兄と同じく「周りの目を気にする」娘は
こっそり隠れてでもそれを食べることはできずに
毎日持ち帰ってきました。

嘔吐がない日でも、頭痛やめまい、眠気は日常的に襲ってきます。
毎日徹夜状態で通う学校。数日で力尽きて休んでしまうのは
仕方ないことだったのでしょう。
それでもお友達が毎朝迎えに来てくれて、
玄関先で「ごめんね、先に行っててね」と見送るのが本当につらかった。
でも私以上に、きっと娘もつらかったのです。

(つづく)