先日、前開きの肌着にカタカナで記名する作業を夜中にポツポツと1人でやっていました。入院している祖母の、新しい肌着です。
私をタンデムシートに乗せていた祖母の後ろ姿が昨日のことのよう。あの時、祖母が私に背を向けたまま歌っていた曲も覚えているの他に、祖母の中に私はすっかり存在しなくなってしまいました。所謂、認知症です。
ポツポツと肌着に祖母の名前を書きながら、祖母が私を忘れても、また一緒に新しい季節を楽しく過ごせればいいな、と思いながらも、私が祖母にできることは名前を新しい服を揃えて、こうして名前を書くことだけなのかもしれないな、と少し寂しくなりました。