【384号】懐かしさと新しさに出合う場所 マンガミュージアムに行こう!

子どもから大人まで夢中にさせる漫画。その魅力や歴史に触れられる話題の施設「合志マンガミュージアム」が7月、合志市にオープンしました。どんなところで、どんなことを楽しめるのか、出来たばかりの施設に早速、行ってみました。


壁一面にコミックずらり 貴重な“お宝”漫画も

合志マンガミュージアム

合志市西合志図書館に隣接した「合志マンガミュージアム」。西合志郷土資料館だった建物をリフォームした施設です。収蔵されている漫画は約7万冊。来館者は、その中の約1万5000冊を閲覧することができます。

入り口をくぐると、木の温もりあふれる空間が広がり、単行本や雑誌などのコミックが床から天井まで壁一面に並べられています。ディスプレー用のコミック以外はどれも閲覧可能です。漫画は1960年代から年代別に陳列されています。子どもはもちろん、親世代や祖父母の世代まで思わずワクワクしてしまう漫画がずらり。同ミュージアムの橋本博館長は「子どもの頃に夢中になった漫画を探したい時は、自分が生まれた年に10をプラスした年代の棚を見るといいですよ。例えば、80年代に生まれた人なら、90年代の棚へ。そうすれば、あなたにとって懐かしい漫画と出合えるはずです」と教えてくれました。

館内の設計を手掛けたのは、崇城大学工学部建築学科准教授の西郷正浩さん。くぎを極力使わない伝統的な「手刻み」により造られた、木の温もりあふれる空間が広がります

館内では、たくさんの人が思い思いに漫画を楽しんでいます。県産木材を使用したユニークなキューブ形のスペースは、それぞれがお気に入りの場所を見つけ、自由な姿勢で読書できるようにと造られた空間。まるで縁側のようにくつろげる雰囲気です。

館内奥の展示コーナーでは、漫画家直筆のサインのほか、戦前から戦中にかけての風刺画や現代漫画の成り立ちに関わる紙芝居など、漫画に関する貴重な資料を展示。文化財でもある漫画の歴史を知ることができます。


漫画は僕らのタイムカプセル

このミュージアムには、私が60年以上かけて集めた漫画のコレクションを中心に、月刊誌や週刊誌などがそろっているので、きっと懐かしい一冊に出合えるはずです。子どもの頃に読んでいた漫画を読み返すと、その頃の記憶が不思議とよみがえってきます。漫画は、まるでタイムカプセルのようですよね。幅広い世代の誰もがワクワクする漫画の世界へ、ぜひ足を運んでみてください。

合志マンガミュージアム
館長 橋本 博 さん

古書店「きらら文庫」を30年営み、多彩な漫画を収集。NPO法人熊本マンガミュージアムプロジェクト代表


漫画家への第一歩になるかも!

漫画体験ワークショップ 「つけペン体験教室」

プロの漫画家が使う道具といえば、つけペン。ペン先にインクをつけながら使う筆記具です。体験ではタマペン、Gペン、丸ペンと呼ばれる3種のペンで絵を描きます。プロ漫画家のアシスタント経験者の講師が、それぞれのペンによる線の違いなど、基本から教えてくれます。

日付/9月24日
時間/13時30分~15時
申し込み/先着10名、参加無料(予約不要)

子どもはもちろん、大人も参加可能です

店舗情報

合志マンガミュージアム

住所
合志市御代志1661‐271
TEL
096-273-6766
営業時間
10時~18時
休業日
月曜(祝日の場合は翌平日)、毎月末日(土・日曜、祝日を除く)
料金
大学生以上300円、中高生100円、小学生以下無料
駐車場
あり ※熊本電鉄御代志駅から徒歩12分

漫画年表

戦後から現在まで、時代の流れとともに、さまざまなカタチに変化してきた漫画。歴史を知れば、読むのがもっと楽しくなりますよ。

~1960年代

50年代は低価格で楽しめる貸本漫画が成長。59年には「少年マガジン」「少年サンデー」、68年には「少年ジャンプ」など週刊の少年雑誌が次々に創刊される。62年、少年サンデーで「おそ松くん」連載開始

1970年代

小学館学年誌の70年1月号から「ドラえもん」の連載がスタート。この時代は漫画雑誌からの単行本化が一般化。76年には週刊少年ジャンプで「こちら葛飾区亀有公園前派出所」連載開始。77年、少女漫画雑誌の発行部数が月間200万部を突破した

1980年代

青年や若い女性向けの漫画雑誌が登場。80年には「ヤングマガジン」「YOU」が創刊。84年に週刊少年ジャンプで「ドラゴンボール」の連載が始まり一大ブームに

1990年代

週刊漫画雑誌の成熟期。90年に「スラムダンク」(週刊少年ジャンプ)、92年に「美少女戦士セーラームーン」(なかよし)の連載がスタート。95年には「週刊少年ジャンプ」新年3・4合併号の発行部数が653万部を記録した

2000年代

ジャンルが細分化され、数多くの専門漫画誌が登場。幅広い年代の男女に受け入れられる雑誌や作品が増えた。01年、Kissで「のだめカンタービレ」連載開始

2010年代

漫画もデジタル化が進み、ウェブコミックの文化が発展。出版社によるウェブ漫画配信サイトも次々に登場。スマートフォンの普及もウェブ漫画の利用を後押ししている

デジタル化が進み、漫画の楽しみ方も多様に。近年は漫画からドラマや映画が制作されることも多くなっている


熊本県は多彩な漫画関係者を輩出

有名な漫画家や漫画雑誌の編集者、漫画研究家には、熊本出身やゆかりの人が100人近くもいるのをご存じですか。これは全国的に見ても突出した数字です。世界最大の同人誌即売会として知られるコミックマーケット(=コミケ)を設立したのも熊本出身の故・米澤嘉博さんなんですよ。

1992年、球磨郡湯前町に「湯前まんが美術館」がオープンしました。政治風刺漫画家として全国的に知られる故・那須良輔さんの出身地だったということはありますが、当時としては先進的な美術館でした。また、「NPO法人熊本マンガミュージアムプロジェクト」をはじめ、漫画を支え広める活動をしている人が多いのも熊本の特徴の一つです。漫画に関するイベントや展覧会も盛んに行われ、現在進行形で新たな漫画文化を育てる活動が行われています。

このように、熊本と漫画の関わりは、とても深いといえます。また、日本の漫画・アニメ文化は世界的に注目されています。そうした時代背景の下、多くの人の思いが込められて誕生したのが「合志マンガミュージアム」だと思います。

崇城大学芸術学部デザイン学科
准教授 小川剛さん

京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了。京都国際マンガミュージアム/京都精華大学国際マンガ研究センター研究員を経て現職。合志マンガミュージアムのロゴマークデザインも手掛ける


他にもあるよ 楽しいマンガミュージアム

湯前まんが美術館(那須良輔記念館)

湯前町出身の政治風刺漫画家として知られる故・那須良輔氏の作品を収蔵、展示。企画展を随時開催しているほか、閲覧できる単行本も数多くそろっています。

店舗情報

湯前まんが美術館(那須良輔記念館)

住所
球磨郡湯前町1834‐1
TEL
0966-43-2050
営業時間
9時30分~17時
休業日
なし
料金
大人300円、小・中学生100円、小学生未満無料

北九州市漫画ミュージアム

JR小倉駅に隣接した施設。北九州ゆかりの漫画家を中心に、幅広い作品と関連資料を展示。約5万冊の蔵書を自由に読めるコーナーも。

店舗情報

北九州市漫画ミュージアム

住所
北九州市小倉北区浅野2‐14‐5 あるあるCity5・6階
TEL
093-512-5077
営業時間
11時~19時
休業日
火曜(祝日の場合は翌日)
料金
大人400円、中高生200円、小学生100円、小学生未満無料※企画展入館料は別途