【569号】魅惑の次世代フード 大豆ミート 徹底分析

大豆など植物由来の原料だけでできているのに、見た目も食感もお肉にそっくりな「大豆ミート」。“畑のお肉”と呼ばれるほど栄養価が高いことに加え、肉や魚に代わるタンパク源としても期待が寄せられています。サステナブル(持続可能)な社会の実現にも貢献するといわれる大豆ミートの魅力を掘り下げるとともに、大豆ミートを使ったヘルシー&おいしいレシピを紹介します。

カラダ 地球の救世主となるか!? 環境と体に優しい 大豆ミート

「大豆ミート」は、地球と人々の暮らしをよりよくするための目標「SDGs(持続可能な開発目標)」の観点からも、注目されています。「なぜ今、大豆ミートの市場が広がっているのか」「大豆ミートとはそもそも何なのか」「どのようにしたらおいしく食べられるのか」を学識者、商品開発者、管理栄養士に教えてもらいました。

人口増加により進行する食糧難 ニーズ高まる大豆肉

植物性の大豆を使った大豆肉は30年ほど前からありましたが、現在市場に出回っている商品のように、「おいしく、使い勝手が良い」ものではありませんでした。今、大豆ミートがこれほど注目を集めている背景には、環境や体により優しい食べ物を選びたいという消費者ニーズの高まりもあるのだと思います。

近年、世界的な人口増加に伴い、食糧難が進行しています。動物肉が私たちの食卓に届くまでには、家畜の餌となる大量の穀物を育てる必要があります。しかし植物肉ならば、育てた食物そのものが肉や魚と同じようにタンパク源になります。中でも、大豆を使った代替肉は広く流通し、問題解決の切り札として注目されています。

また環境問題の面からは、家畜が排出するゲップやおならに含まれる温室効果ガスの削減をはじめ、飼育や飼料の生産に必要な大量の水や土地の利用を少なくすることで、環境負荷が軽減するといわれています。

栄養面でもコレステロールゼロのタンパク源となるため、健康志向や脂質の摂取を抑えたい人にはもってこいの食材といえます。一方で、動物肉にしかない栄養素もあります。植物肉だけでタンパク質を取ろうとするのではなく、バランスよく食事に取り入れるのが理想です。

教えてくれたのは

熊本県立大学環境共生学部教授
白土英樹さん

動物肉より鉄の吸収率が若干下がるため、組み合わせる食品を考えて調理すると、より効率よく大豆肉の栄養素を吸収できます。


生産企業に聞きました! 原料・栄養・カロリー・味 気になるアレコレ Q&A

※原料、生産方法により、味、栄養価は異なります。

Q どんなものでできているの?

大豆を加熱・圧縮し、ミンチ型やフィレ型に成形、高温乾燥させたもので、みそや油などを作る際に油分を抽出した後の副産物で作るのが一般的です。弊社では、大豆ミート専用の発芽大豆の開発から行っています。


栄養面で優れている点は?

穀物としての「大豆」ではなく、植物となった「発芽大豆」を使用しているので、アミノ酸のバランスが良く、ビタミンやミネラルも豊富です。

美肌効果が期待できるイソフラボンや食物繊維も多く含まれています。


同量の肉で調理したときと比べてカロリーに違いは?

大豆肉そのもののカロリーは油脂分などが少ないため、動物肉より低くなります。調理後は、使用する油脂などの量で摂取カロリーは異なりますが、同量の肉で調理する場合と比較すると、カロリーの軽減は可能です。コレステロールゼロなので、生活習慣病などでタンパク質だけを効果的に摂取したい人にはおすすめの食材です。

ハンバーグなどを調理する際は、つなぎにヤマイモなど粘り気のあるものをプラスするといいですね。肉の味わいにより近づけるためには、ココナツオイルを混ぜるのもおすすめです。


肉と比較して味に違いはあるの?

大豆を発芽させる温度など発育条件を変えることで、味やうま味にどのような変化が起こるのかを分子レベルでデータ化。大豆そのものを動物肉に近い味にすることができるようになりました。うま味成分となるアミノ酸のバランスは、肉以上に良くなります。

より過酷な条件で発芽させると、おいしさが増します!

※参考:農研機構九州沖縄農業研究センターの研究結果(2006年〜2007年)

教えてくれたのは

DAIZ 取締役CTO 研究開発部長
落合孝次さん

魚や貝類など海洋性食品の他、開発中の食品はたくさんあります。未来の食卓は大きく変わっているかもしれませんね!


味も見た目もまるでお肉なヘルシーレシピ

大豆ミートには、乾燥タイプやレトルトなど、いろいろな商品があります。今回は一般的な乾燥タイプを使い、鉄分の吸収率をアップさせるレシピを紹介します。

【大豆ミートのタイプ】

ひき肉の代わりに使ったり、ひき肉と混ぜて使ったりすると使いやすい。

本物の肉のような食感が得られます。ショウガ焼きや野菜炒めにも◎。

唐揚げや酢豚など、肉の存在感が大きい料理によく合う。


【基本の下処理】※商品によって異なります

[step1]戻す

水やお湯に漬けるだけでも十分戻りますが、ゆでると時間短縮になります。

[step2]洗う

特有のにおいを軽減させるため、ボウルなどに入れて水で軽く洗います。

[step3]絞る

水っぽさが残らないよう、大豆ミートをしっかり絞ります。

[step4]下味を付ける

調理前に下味を付けておくと、よりおいしくいただけます。


大豆肉ストロガノフ


大豆肉のピリ辛3色丼


フードユニット「LANNE(ランネ)」
長曽我部 真未さん

管理栄養士資格を持ち、栄養バランスを考えた、おいしく、おしゃれな食卓づくりを提案。大豆肉などの商品開発や料理教室も行う。SNSでレシピの発信も。
Instagram @lanne_mami

鉄分を効率よく吸収するにはビタミンCが豊富な食材と組み合わせるとよいですよ!