【419号】それぞれの生活スタイルを垣間見る 世界の朝ごはん VOL.2

好評につき、第2弾! 熊本で暮らす外国人の方々に出身国ならではの朝ごはんを見せてもらいました。今回はドイツ、スウェーデン、アメリカ、アルゼンチンの朝ごはん。「おいしそう!」「真似(まね)したい!」というメニューから、シンプルな中に込められた食の考え方まで、いろんな発見がありました。食文化に触れると、その国のことをグッと身近に感じられますよ!

こだわりいろいろ、お国の朝の食卓

シンプルなものから品数豊富なものまで、国によって朝ごはんの特徴はさまざま。でも、一品一品に特別な思いがこもっているのは、世界共通です。

BUNDESREPUBLIK DEUTSCHLAND(ドイツ)

ゆで卵がある=休日朝ごはんの証し

日曜の松永家の朝食をのぞいてみると、ボリュームの多さにビックリ! この日のパンとハムは、ドイツで修業を積んだ職人のいる熊本市内の店で購入。さらにチーズ、グラノーラ、ゆで卵、野菜ジュースなど盛りだくさん。ポイントはゆで卵で、ドイツでは休日にしか作らないのだとか。「おなかいっぱいね」と目を合わせて笑うご夫婦の表情が、とってもすてき♪

ハム、チーズ、ジャムなど、パンをおいしく楽しむための食材が並ぶ


取材秘話

ドイツといえば、ハムやソーセージ、ポテト、ビールをイメージします。でも、実際には「肉を食べるのは週2~3回程度に」「甘いものはできるだけ避けよう」といった栄養バランスを学校で習うそう。とはいえ、「実際には甘いものが大好きな人は多いですよ」とビリーさん。

ビリーさんの地元、ドイツ・フランケン地方のビール

真似point

パンにバターを塗って、ハムをのせたり、チーズをのせたり。甘いものが欲しくなったら、パンにジャムを塗ってパクリ。ドイツの朝食は、あくまでパンが主役です。ちなみに、ドイツの人はナイフの使い方がとっても上手。1本のナイフでパンを切り、ジャムもバターもキレイに塗ります。

プレッツェルの正しい食べ方

ドイツ発祥の焼き菓子“プレッツェル”。表面に大きな塩の粒が付いていますが、実は手で払い落として、自分好みの塩加減に調整するのが本来の食べ方なのだとか。ちなみにビリーさんは「私は全部取り除きますよ」。

松永 ビリーさん(ドイツ・バイエルン州出身)
松永 憲生さん

熊本市役所国際課でドイツ国際交流員として働くビリーさん。日本の着物が大好きで、着付け師としても活躍中です。同じく市役所で働く憲生さんと2年前に結婚。平日の朝食はパンにチーズをのせて食べるなど、シンプルな内容なのだとか。

パンにのせるのはハムかチーズ。野菜をのせるのはイギリス式で、ドイツの人はほとんどしません。ちなみに私はベジタリアンなので、ハムを食べるのは夫の担当(笑)

パンにのせるのはハムかチーズ。野菜をのせるのはイギリス式で、ドイツの人はほとんどしません。ちなみに私はベジタリアンなので、ハムを食べるのは夫の担当(笑)


KONUNGARIKET SVERIGE(スウェーデン)

栄養バランスを大切にしたヘルシー朝ごはん

スウェーデン人の古賀範介さんは、日本刀の拵(こしらえ)職人。玉名郡和水町の「肥後民家村」内に工房を構え、拵の製作・修理を手掛けています。この日の朝食は、ヨーグルトをかけてバナナをトッピングしたグラノーラに野菜・ハム・チーズ・マーマレードなどをトッピングしたパン、ゆで卵、オレンジジュース、コーヒーというヘルシーな内容でした。

工房で彼女と一緒に朝ごはんを食べる古賀さん

工房で彼女と一緒に朝ごはんを食べる古賀さん


取材秘話

古賀さんによると、スウェーデンの人は、砂糖や甘いものをあまり食べないそう。子どもにスイーツを食べさせるのは1週間に1回、土曜だけなのだとか。と言いつつも、実は甘いものが大好きだという古賀さん。一番のお気に入りを聞くと「彼女が作ってくれるオレンジ入りチョコブラウニー」とニッコリ。

真似point

一緒に食事をするようになって、彼女が驚いたというのが、パンにチーズとマーマレードの組み合わせ。「食べてみると好相性。おいしいですよ」

スウェーデン流「献立の考え方」

古賀さんによると、スウェーデンでは1食の中で左グラフ内の各分類の食品を取ることが望ましいとされているそう。食事を作る際は、この内容を全てクリアするように献立を考えるのだとか。

古賀 範介さん(スウェーデン・ストックホルム出身)

本名はコガ・ハンスさん。7歳の時に居合道を見て、日本刀に興味を持ったそう。6年前に来日し、拵づくりを修業。ちなみに、拵とは柄や鞘、鍔(つば)といった日本刀の外装の総称です。工房は「肥後民家村」内の旧布施家住宅の2階。1階は拵の展示スペースで、見学可能(月曜定休)。

古賀 範介さん

スウェーデンでは1日に、朝・昼・15時ごろ・夕・夜の計5回食事をします

古賀さんの工房がある「旧布施家住宅」(肥後民家村)

古賀さんの工房がある「旧布施家住宅」(肥後民家村)


UNITED STATES OF AMERICA(アメリカ)

メープルシロップをたっぷりと♪ 甘くてボリューミーなパンケーキ

熊本市で会社とバーを経営しているジェイソンさん。出勤前にお邪魔すると、この日はパンケーキ&ミルクというシンプルな献立。「アメリカでは、忙しい平日はパンやシリアルなどの簡単なメニューが主流です。でも、日曜は家族そろって食べることが多い。私の家では父がよくパンケーキを焼いてくれました」とジェイソンさんはほほ笑みます。


取材秘話

ジェイソンさんのお父さんがよく作っていたのは、ブルーベリーのパンケーキ。「理由は、お母さんの大好物だから」とジェイソンさん。ほほ笑ましいエピソードです。

真似point

ジェイソンさんが朝食代わりによく飲んでいるという「バターコーヒー」。アメリカ発祥のダイエット法で、コーヒーにバターを入れ、ココナツオイルかMCTオイルを加えて飲むそう。

フレーバーが多彩!アメリカのメープルシロップ

アメリカからお母さんが定期的に送ってくれるメープルシロップ。ハイビスカス、バーボン樽熟成など、日本ではなかなか見かけないフレーバーも。置いているだけで食卓が華やかになりそう!

ジェイソン モーガンさん(アメリカ・ニュージャージー州出身)

2007年に来熊。英語指導や大学院での研究を経て、2014年に翻訳・通訳などを手掛ける会社「アドアストラ」を田島巳起子さんと2人で設立。同年12月、クラフトビール&ブックバー「Voyager(ボイジャー)」をオープン。店舗の詳しい情報はホームページ、各種SNSを参照。

パンケーキを作るのは久しぶりだったのでちょっと焦げてしまいました(笑)

パンケーキを作るのは久しぶりだったのでちょっと焦げてしまいました(笑)

ひっくり返してみると・・・

ひっくり返してみると・・・


REPÚBLICA ARGENTINA(アルゼンチン)

家族のきずなをグッと深める「マテ茶」がポイント!

タンゴダンサーのエルナン・ゴメスさんは、奥さまと2人で、ダンスやアートなど、海外文化に触れられるスクール&サロン「カサデアルテ 芸術の家」を運営しています。スタジオに来てから食べるという朝ごはんは、手づくりパンと「マテ茶」のみというシンプルな内容。マテ茶を回し飲みしながら会話を楽しむのが、アルゼンチン流の朝ごはんだそうです。

普段は、奥さまとお子さんは自宅で朝ごはんを済ませ、エルナンさんだけスタジオで朝ごはんを食べるそう。「早起きが苦手で」と笑うエルナンさん

普段は、奥さまとお子さんは自宅で朝ごはんを済ませ、エルナンさんだけスタジオで朝ごはんを食べるそう。「早起きが苦手で」と笑うエルナンさん


取材秘話

取材中、ずっとマテ茶を飲んでいたエルナンさん。時々は砂糖を入れて、味にアクセントをつけます。

真似point

「マテ茶」の茶葉を取り扱っている店は、残念ながら熊本では見かけたことがないそう。でも、茶葉や茶器は通販で手に入るので、試してみては? ちなみに茶器は、茶葉を入れて水またはぬるま湯を注ぐ器「マテ壺」と、ストロー「ボンビージャ」が必要。

何でも手作り!多彩なエルナンさん

「好みのパンが売ってないから」と、パンは自家製。その他、アルゼンチンの肉料理やソーセージを作ったり、大きな塊肉をバーベキューしたりと、料理の腕前も見事なエルナンさん。さらに、ダンスシューズやプロジェクションマッピングの制作なども手掛けます。

エルナン ゴメスさん(アルゼンチン・ブエノスアイレス出身)
藤田 真紀さん

アルゼンチン政府認定の学校でタンゴを学んだエルナンさん。アメリカ・ニューヨークで、バレエダンサーの真紀さんと出会い、結婚。2004年に日本へ移住。「カサデアルテ 芸術の家」では、子ども向けのダンスやアート系ワークショップも担当。詳細は「カサデアルテ芸術の家」ホームページまたはFacebookを参照。

「6/2、カサデアルテでエルナンのバースデーパーティー&チャリティーショーを催します。アルゼンチンのギタリスト「Silvio Moreno」さんのパフォーマンスも聴けますので、興味のある方はお問い合わせください」

アルゼンチンの人たちはおしゃべり好き。食事中も会話が止まりません

アルゼンチンの人たちはおしゃべり好き。食事中も会話が止まりません

藤崎宮の少し北、国道3号に面したところにある「Casa de arte 芸術の家」

藤崎宮の少し北、国道3号に面したところにある「Casa de arte 芸術の家」

エルナンさんが教えるキッズスクールの様子

エルナンさんが教えるキッズスクールの様子