【429号】シュワッ、ゴクッ!!暑い夏こそ… ビールをもっとおいしく楽しみたい。
暑い夏にぴったりの飲み物といえば、やっぱりビール。今年は飲み方にちょっとこだわってみませんか。ビールをよりおいしく味わうためのひと工夫を専門家に聞きました。また、熊本ならではのクラフトビールを堪能できるお店などもご紹介。ビールを存分に楽しんで、暑さを吹き飛ばしましょう!
宅飲みでビールを楽しみたい。
自宅でビールをよりおいしく飲むポイントを、熊本市中央区のカフェ&バー「その、一杯の。」の岡部雅也さんに教えてもらいました。
ビールの種類は100以上 飲み比べて好みを見つけて
皆さんが普段飲んでいるビールは、日本の大手メーカー製造のものがほとんどでしょう。その大半は「ピルスナー」という種類に分類され、爽やかな喉越しが特長です。ビールの種類は世界に100以上あり、色や、飲んだ時の爽快感、香り、甘み、苦みなどがそれぞれ異なります。
最近はスーパーやコンビニでもさまざまな種類の商品が販売されているので、飲み比べて好みのビールを見つけるのもいいかもしれません。
日本では、ビールは「キンキンに冷やして飲む」というイメージが定着していますが、人の舌は、冷たいと味覚が鈍ってしまいます。ビール本来の香りや味わいを楽しむなら、ぜひ適温で飲んでいただきたいですね。
教えてくれた人
「その、一杯の。」
岡部 雅也さん
ビールと紅茶の専門店。国内外の多彩なビールを提供しています。
店舗情報
- 住所
- 熊本市中央区上林町3-33 コムラサキビル103
- TEL
- 096-273-6184
- 営業時間
- 11時~翌2時(日曜は18時~、お昼は要予約)
- 休業日
- 水曜
- 駐車場
- なし
ビールの種類
材料や製法によって、エールとラガーに大別されます。さらに100以上に細分化された種類の中から、代表的な4つを紹介します。
ALE エール
20度前後の温度で発酵させ、造られるビール。発酵後は酵母が上に浮くため、上面発酵とも呼ばれます。香りや味に個性が出やすいのが特徴。
INDIA PALE ALE
IPA
イギリス発祥。アルコール度数が高く、強い香りや苦みが印象的です。個性的な味わいで、近年、人気を集めています。
PALE ALE
ペールエール
イギリス発祥で、金色や銅色をしています。フルーティーで華やかな香りがあり、甘みと程よい苦みのバランスが絶妙。
WHITE ALE
ホワイトエール
ベルギー発祥。淡い色から「白ビール」とも呼ばれ、まろやかな味わいが特長です。ビール初心者にもおすすめ。
LAGER ラガー
低温で発酵して造られるビール。発酵後は酵母が沈むため、下面発酵とも呼ばれます。喉越しの良さと、飲んだ後の爽快感が魅力。
PILSNER
ピルスナー
チェコのビールが原型で、日本で飲まれているビールの大半がこれに分類されます。濁りのない黄金色をしています。
失敗しない!? 岡部さん流
ビールをおいしく味わうコツ
1.冷やし過ぎに注意 適温は3~5度
ビールの種類によって適温が異なります。例えばピルスナーなら3~5度。冷やし過ぎると、ビール本来の香りやうま味などを感じにくくなります。
2.飲む直前にグラスを水洗い
清潔なグラスを使うことも大切。食べ物の油が付かないよう食器用とは別にグラス専用スポンジを用意し、飲む直前に水洗いします。軽く水気を切る程度でOK。
3.買ってきてすぐに栓を開けない
お店から持ち帰る際、中身が揺すられるため、すぐに栓を開けると炭酸が抜けてしまいます。冷蔵庫に約2時間保管して、炭酸を落ち着かせてから開けましょう。
グラスに注ぐときはふちの方からゆっくり
缶や瓶に入ったビールの香り、コクをそのまま味わえるよう、できるだけ刺激を与えないように注ぐのが、岡部さん流。グラスを傾けて、ふちの方から泡を立てないよう、ゆっくりと3分目までビールを注いだ後、グラスを真っすぐに戻して7分目まで注ぎます。最後に缶や瓶を10㎝ほど持ち上げて細く注ぎ、泡を作ったら完成です。
もっとこだわるなら…
グラスが香りや味を引き立てる
グラスの形状によって、ビール本来の香りや味が、より引き立つそう。例えば、口の広いグラスは香りが広がりやすいといいます。また背の高いグラスは、飲む時に角度が付いて勢いよく口に流れ込むため、より爽快な飲み口を楽しめます。岡部さんのおすすめはワイングラス。香りと風味をバランス良く感じられるそうですよ。
BEER NEWS
ビールの定義が変わった!
今年4月の酒税法改正により、ビールの定義が変更されました。麦芽の使用比率が、従来の67%以上から、50%以上に。また、麦芽重量の5%までの範囲で、副原料に果実や香辛料なども使用できるようになり、大手ビールメーカーなどから個性的なビールが続々と登場しています。
熊本のとっておきのクラフトビールを楽しみたい。
原料や製法にこだわり、小規模で醸造するクラフトビールが近年、全国的に注目を集めています。独自のクラフトビールを追求する県内の醸造所を紹介します。
熊本クラフトビール
1997年創業。チェコの醸造家直伝の伝統的な製法で、熊本の地下水を使って麦芽100%のビールを製造しています。王道「ピルスナー」と、かんきつ系の香りが爽やかな「ペールエール」、フルーティーな「ヴァイツェン」、甘さとコク、苦みが印象的な「ダークラガー」の4種類。同醸造所直営のダイニングバー「Oiseau」(中央区下通)では、限定醸造の「メルツェン」を加えた全5種類のビールを味わえます。
ビールは各700円、「メルツェン」(右から2番目)は900円。おすすめのおつまみ「カリーヴルスト」500円と一緒にどうぞ
代表の鳥井誠人さん(右)と、「Oiseau」店長の鳥井建伺さん
瓶詰めビールは電話での取り寄せが可能(熊本クラフトビール TEL:096-389-0722)。東区帯山の「いのもと酒店」でも購入できます
DIAMOND BREWING(ダイヤモンド ブルーイング)
今年1月からオリジナルのクラフトビールを製造。県産の晩白柚やデコポンを使ったビールは、かんきつの爽やかな甘い香りと、さっぱりとした味わいが特長です。今後も、県産のフルーツなどを使ったさまざまなオリジナルビールを開発していく予定だそうです。醸造所に併設するレストラン「BREWERY KAEN」では同3月から、これらのオリジナル(数量限定)を提供。その他、国内外の多彩なクラフトビールを堪能できます。
「店内ではフレッシュなビールを味わえます」とスタッフの連川裕隆さん。「マルベリー」(右)と「デコポンIPA」各648円
ビールは醸造所で約1カ月熟成して完成させるそう
店内からも併設の醸造所が見えます
OTHER
福田農場
個性あふれる3つの味 「不知火海浪漫麦酒」
3種類のホップを使ったクラフトビール「不知火海浪漫麦酒」を造っています。苦みと香りが印象的な「カルメン(アンバーエール)」、泡がなめらかな「ソレイユ(ヴァイツェン)」、甘夏の花の蜂蜜を使った「ケセラセラ(ハニービール)」の全3種類。敷地内のビアレストランのほか、中央区二の丸の「桜の馬場城彩苑」でも販売しています。
右から「カルメン(アンバーエール)」「ソレイユ(ヴァイツェン)」「ケセラセラ(ハニービール)」各540円
農場からは不知火海(八代海)を望めます
コメント
0