【447号】夜遅く食べるゴハン
遅い時間の夕食は、体に良くないとは分かっていても、仕事をしていると残業などで食事時間は不規則になりがち。どうしても夜遅く食べるときに心掛けたい、食事の取り方やレシピを紹介します。
夜遅いなら「分食」スタイル
仕事などで夜遅く食べるときにおすすめ!分食スタイルと気を付けたいポイント、さらにヘルシーで簡単に作れるレシピを紹介します。
お話を伺ったのは
日本赤十字社熊本健康管理センター 健康栄養課 管理栄養士
園田 舞さん
お菓子などの”間食”はカロリーオーバーになりやすいのでNG。あくまで”分食”を心掛けましょう
夜遅い食事は体調不良の原因に
日赤熊本健康管理センターの園田舞さんによると、夜遅い食事は、さまざまなリスクがあるそう。「食べてから就寝までの時間が短くエネルギーがあまり消費されないのと、脂肪合成を促すビーマル1というタンパク質が夜間に増加するため、太りやすくなります」と園田さん。さらに、食べてすぐ寝ると、消化途中のため眠りの質が低下。消化も悪く、翌朝の胃もたれや食欲不振、逆流性食道炎の原因に。体内時計も乱れるため、目覚めが悪くなる、太りやすくなる、運動パフォーマンスが低下する|など生活面に悪影響が出るだけでなく、免疫力が低下し病気になるリスクも高まるそう。
「これらの理由から、なるべく21時までに食事を終えるのが理想ですが、どうしても夜遅く食べる際は、主食とおかずを時間を分けて食べる〝分食〟スタイルがお勧めですよ」と教えてくれました。
夜遅く食べるときのポイント
POINT1 「分食」する
分食とは、1回の食事を分けて食べる方法。夜遅く食事をする場合は、夕食を職場と自宅で分けて取り、両方を合わせて1食分になるように量を調整します。職場で17時ごろに主食を食べて、帰宅後に自宅でおかずを食べましょう。
POINT2 低エネルギーで消化の良いものを
魚は低カロリーで消化の良い白身魚を選んで。脂の多い青魚は量を減らし、翌日に回すなどの工夫を。肉は赤身を使い、野菜類と一緒に食べましょう。野菜はビタミンやミネラルを補うために1〜2品、肉や魚の量の2倍を目安に。ゴボウなど繊維が多く消化しにくいものは控えて。
POINT3 調理法を工夫する
油を使う揚げ物、炒めものは避けて。油はカロリーが高く、消化も悪いため胃もたれの原因に。使用する際は小さじ1杯程度、ドレッシングはノンオイルタイプを。おすすめの調理法は、蒸す・ゆでる・焼く。
POINT4 よくかんで食べる
よくかんで食べることで消化を助け、満腹感も得られ、血糖値の急激な上昇を抑えます。
POINT5 野菜から先に食べる
野菜から先に食べると、栄養がゆっくり吸収されるため、血糖値の急激な上昇を抑えます。
ビーマル1の量の変化で時間によって太りやすい
「ビーマル1(BMAL1)」とは、体内時計を構成する因子の一つで、脂肪合成を促すタンパク質です。時間によって分泌量が増減し、ビーマル1が多いほど脂肪が蓄積されやすくなります。ビーマル1の量は14時〜16時ごろは減りますが、22時〜深夜2時ごろには激増し、深夜は脂肪合成を促進する物質が昼間に比べ20倍に。そのため、同じ食事内容でも、寝る時間に関係なく、食事時間が遅ければ遅いほど、体脂肪が蓄積されやすくなるのです。
※榛葉繁紀氏による研究より
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副菜を2品ほどプラスすれば、栄養バランスのとれた献立になりますよ。
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